第十六話 ゴールデンウィーク前にその三
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「よく」
「その言葉逆の場合もあるって前に言ったでしょ」
「あっ、ヤクザ屋さんね」
「ヤクザ屋さんのあの外見はね」
「心がそのまま出てるのね」
「そう、それで私も多分ね」
愛にしてもというのだ。
「ファッションは派手でもこれは好きで」
「それで下着は」
「私がまだね」
「根は真面目っていうのがなのね」
「出てると思うわ」
実際にというのだ。
「私もね。逆に下着が派手なのに変わったら」
「その時はなの」
「もうね」
それこそというのだ。
「私も変わったってことよ」
「そうなるの」
「先ちゃんは私以上に地味な下着ね」
今度は彼女の話をしてきた。
「そうね」
「うん、中学の時みたいな」
「それでいいわよ」
「いいの」
「そう、全然ね」
それはというのだ。
「咲ちゃんのいいものが出ていて」
「それでなの」
「全然なの」
「いいわよ、というか咲ちゃんも私もその辺りのドキュンが見に着けるみたいな」
「派手な下着だと」
「そういうの着けたらね」
その時はというのだ。
「かなりまずいかもね」
「下着は大事なのね」
「前田慶次さんもそうでしょ」
愛はここで安土桃山時代にその名を遺した傾奇者の名前を出した。
「あの人も下着、褌はね」
「白だったっていうわね」
「咲ちゃんも知ってたでしょ」
「そうみたいね」
「そう、それはね」
まさにというのだ。
「前田慶次さんも傾奇者でね」
「物凄い派手な服装だったわね」
「そうだったけれど」
「違うのね」
「心はね」
「服装は派手でも」
「心はそうだったのよ」
下着つまり褌が白だったことからわかる様にというのだ。
「本当にね」
「清廉潔白で真面目だったのね」
「あの人も筋は通っていたでしょ」
「ええ」
伝え聞く前田慶次はとだ、咲も答えた。
「傾奇者でもね」
「傾奇者は傾く、突っ張っていて奇矯な振る舞いを行う」
「そうした人ね」
「中にはゴロツキもいたけれど」
傾奇者の中にはというのだ。
「本物は違ったのよ」
「前田慶次さんは」
「あの人は本物だったのよ」
「本物の傾奇者ね」
「織田家の人だしね」
織田信長のこの家だというのだ。
「織田信長さんも傾奇者でしょ」
「ええ、尾張の大うつけよね」
「有名でしょ」
「もう漫画とかでね」
咲もそうした作品を読んできたので知っている、織田信長といえば吉法師だったその頃も有名である。
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