第十六話 ゴールデンウィーク前にその一
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第十六話 ゴールデンウィーク前に
咲はこの日アルバイトを終えると休日なので時間があったので愛と渋谷のハチ公像の前で待ち合わせた、そして。
愛と合流してまずはミスタードーナツに入った、そこで咲は愛に向かい合って紅茶とドーナツを楽しみつつ母が愛について言ったことをそのまま愛に話した。
「そういうことなの」
「そうなのね」
愛は紅茶を飲みながら何でもないという顔で応えた。
「まあそういうことならね」
「いいの?結構酷いこと言ってるけれど」
「別にいいわ」
その顔のまま答えた。
「私はね」
「そうなのね」
「おばさんとおじさんが私のファッションによく思ってないのは知ってたから」
「派手過ぎるって」
「実際派手だしね」
自覚はあった。
「だからね」
「別にいい」
「そう言われてもね」
特にという返事だった。
「これといってね」
「そうなのね」
「ただ下着はね」
このことは愛は店の他の客に聞かれない様に小声で話した。
「事実ね」
「お姉ちゃん白よね」
咲もこう返した。
「そうよね」
「ええ、その色でないとね」
白でないと、というのだ。
「私としてはね」
「駄目なのね」
「デザインもシンプルで。リボン位付いていてもいいけれど」
それでもというのだ。
「フリルとかもなくで露出も普通な」
「そうした下着ね」
「スケスケとかティーバックとかね」
そうした派手と言われる下着はというのだ。
「もうね」
「駄目なのね」
「絶対にね」
それこそという言葉だった。
「私はね」
「そうなのね」
「抵抗あるのよ」
どうしてもという言葉だった。
「私としては」
「白以外の色も」
「まあピンクやベージュとかライトブルーならいいけれど」
「赤とか黒とか紫は」
「無理ね、そうした色は」
「似合うと思うのに」
「そう言われてもね」
愛としてはというのだ。
「どうしてもね」
「駄目なのね」
「そうなのよ」
「それで白なのね」
「普通のデザインのね」
「ブラもショーツも」
「そうなの、高校時代体育の授業で着替えたら」
咲にその時のことも話した。
「下着がシンプルで意外ってね」
「言われたの」
「クラスの皆にね」
「そうだったの」
「もう黒とかティーバックとかってね」
「思われていたのね」
「そうだったのよ、けれど私はね」
どうしてもというのだ。
「そうした下着はね」
「抵抗あるのよね」
「そうなの」
愛は話を続けた。
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