パスパレライブ
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友奈を解放した日菜が、モカへ歩み寄る。
モカも日菜の姿を見て、「あら」と手を合わせた。
「日菜ちゃん、だったよね? ラビットハウスに来てくれたんだ」
「あたし、気に入ったから時々来てるよ。モカさんとはあんまり会えなかったんだね」
「うんうん。日菜ちゃんも、ぎゅっと」
モカは笑顔で日菜に抱き着く。
日菜は嬉しそうに、彼女のなすがままにされた。
「ひ、日菜ちゃんまで!?」
だが、それを見て穏やかではないのが、モカの実妹であるココア。彼女は日菜をモカから引き剥がし、逆に抱き寄せる。
「お姉ちゃん、本当に年下だったら誰でもいいの!? 本当に節操ないんだから!」
(ココアちゃんも大概なような……?)
「ねえねえココアちゃん!」
だが、日菜はマイペースにも、ココアから離れてチケットを提示した。
「ココアちゃんもどう? 今日、ライブあるんだけど」
「おお? 日菜ちゃんのライブ?」
チケットを受け取ったココアの目がキラキラと輝きだした。
「イイネ! 私は好きだよ! チノちゃんと可奈美ちゃんも一緒に行こう!」
「そうですね」
ココアの提案に、チノもほほ笑む。
チノの笑顔も結構レアだなと、可奈美は自らの脳に記憶した。
「おやおや? それじゃあ、私も保護者が必要だよね? 日菜ちゃん、これまだ当日券手に入る?」
「モカさんのもあるよ〜」
あっさりと、日菜は追加のチケットを渡した。
それを見た可奈美は、思わず言葉が口に出た。
「日菜ちゃん、それ何枚持ってるの?」
「それがさあ、結構入り少ないらしくてね。あたしたちの他にもいくつかのグループでもまだまだ余ってるんだよね」
「それはそれでどうなの……?」
心配になる可奈美をよそに、日菜はモカにもチケットを渡した。
「ありがとうございます日菜さん。モカさんと一緒に、是非とも伺いします」
「ヴェアアアアアアアアアアア!」
その時、ココアが凄まじい声で悲鳴を上げた。
見れば、白い目をして泡を吹いて倒れている。
「ココアちゃん!?」
「奪われる……私の立場が、お姉ちゃんにも……日菜ちゃんにも……」
「ちょっとチノちゃんが懐いただけだよ!? あと、それよりも日菜ちゃん、チケット配るよりも先に心配しなくちゃいけないことがあるんじゃないの?」
「ん?」
日菜が純粋な目をこちらに向けた。
可奈美は眩暈を覚えながら、入口を指差す。
「時間! もうリハーサルの時間なんでしょ!? 早く行かなくちゃ」
「でも電車が遅延してるせいで間に合わないしなあ。ハルト君に連れて行ってもらおうかなって思ったけど」
日菜の図太さに驚きながらも、可奈美は店内を見渡す。
そこで偶然、
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