パスパレライブ
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ビットハウスの呼び鈴が鳴る。
「うっす。友奈ちゃんいる?」
見ればそこには、いつもの水色のダウンジャケットを着た真司の姿があった。
「あ、真司さん!」
日菜に抱きつかれたままの友奈が手を伸ばす。
「こっちだよ!」
「おお、仕事終わったぜ……」
まだ午前中だというのに、くたくたな様子の真司。
「真司さん、お疲れ?」
「おお、おはよう可奈美ちゃん。いやあさ、夜勤明けでさあ」
「夜勤明け? 真司さん、確かマグロナルドだよね? 今って24時間営業止めたんじゃ?」
「それじゃねえんだよなあ……店長、結構顔が広い人でさあ。色んなところに仕事紹介してくれんだよ」
「うんうん」
「昨日はそれで工事の警備員やったんだよ。いやあ、大変だった……」
真司は腰を撫でながら言った。
「あれ? ハルトはいねえの?」
「今日は買い足しだよ。午前のうちに材料確保しておかないといけないからね」
「へえ」
「真司さんは?」
「ああ、今日は友奈ちゃんと一週間分の飯の買い足しだよ。で、友奈ちゃんは……」
「るんってしてるよ!」
真司の言葉に、日菜が笑顔で応じた。
日菜は今でも友奈をガッツリとホールドし、抱き枕のようにしている。
「うお!? 友奈ちゃん、どうなってるんだそれ」
「いやあ、日菜ちゃんに懐かれちゃって……」
「懐かれた?」
真司は目を白黒させる。
可奈美は「あはは」と苦笑する。
「ほら、この前公園でピクニックに行った時、友奈ちゃんと日菜ちゃん、同じボートだったでしょ? その時に気に入られたらしくて」
「へ、へえ……友奈ちゃんからは結構凄まじかったって聞いたけど」
「るんって来たでしょ? 友奈ちゃん!」
さらに日菜がぎゅっと友奈を抱きしめる。友奈は「るんって来たよ!」と応じている。
「友奈ちゃん、もう適応してる……」
「可奈美ちゃんも真司さんも! るんって来たでしょ!?」
「る、るん……! るん! うん! るんって来た!」
盆を置いた可奈美は、日菜に合わせて言ってみる。何となく力が湧いてくるような感覚がして、少し元気に感じる。
「る、るん……?」
一方、真司は戸惑う。
口にはしてみれど、何も感じないらしい。
「うん! るんって!」
「るんって」
「るんって!」
「るんって……るん……るん……」
やがて、日菜の言葉に頭をふらふらとしていく真司。やがて目をグルグルと回しながら、座席に寄りかかる。
「るんって何だ……? どうして人はるんって言うんだ……?」
「真司さんが一人でループの中に入ってる!」
悲鳴を上げる真司を捨て置いて、次にチノが切り出した。
「そういえば日菜さん、今日はライ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ