第四百六十九話 【継続】強くなる少女達その九
[8]前話 [2]次話
「是非共」
「遠慮はいらぬ」
長門が答えた。
「それも一切だ」
「それでは」
「全員食してくれ」
そのカツカレーをというのだ。
「好きなだけな」
「そうか、ではな」
一条も応えた。
「そうさせてもらう」
「ではな」
「それでだが」
一条は長門にさらに言った。
「セイレーンのことだが」
「あの者達か」
「今はどうしている」
「動きがない」
長門は一言で答えた。
「あの者達は様子見の様だ」
「あえて動かないでか」
「我々の戦いを見ている様だ」
「そうか」
「スサノオとは組んでいない様だがな」
「そう言えばそうしたことはないわ」
山城は長門のその言葉に気付いた顔になって述べた。
「スサノオとセイレーンには関係はないわ」
「セイレーンの方も動かないな」
長門は山城にも述べた。
「そうだな」
「ええ、スサノオに接近することも」
「お互いにな」
「手を組めばかなりの戦力になって」
扶桑はカレーを食べながら考える顔になった、ルーとご飯だけでなくカツの味も楽しんでいる。その三つの味の調和もである。
「我々を圧倒出来るのに」
「それをしないな」
「どういう訳か」
スサノオもセイレーンもというのだ。
「その動きは全く」
「我々にしては有り難いが」
日向は真剣な顔で述べた。
「だがそれはな」
「どうもな」
伊勢も言った。
「そのことについて」
「何故かと思う」
「手を結ぶと我々よりさらに有利に立ち」
「潰すことが出来た」
「だがそれをしない」
「それは何故だ」
「考えてみれば妙だ」
実にというのだ。
「このことは」
「本当にそうだな」
「お互いに自分達だけの力でと思ってるのね」
桜子がここでこう言った。
「スサノオもセイレーンも」
「両方ですか」
「そう思っていてですか」
「スサノオは人間の力を見たいのよ」
伊勢と日向に彼の戦う目的を話した。
「潰すんじゃなくてね」
「それで、ですか」
「セイレーンに接近しませんか」
「あとセイレーンのことはよく知らないけれど」
それでもとだ、桜子はさらに話した。
「スサノオを異質な存在、手を結ぶ様な相手でないと思って」
「手を結ばない」
「そうした動きをしないですか」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「見ているだけなのよ」
「出て来ないと思ったら」
「そうした考えですか」
「私はそう思ったわ、確証はないけれどね」
確かなことは言えないがというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ