艦娘と提督とスイーツと・73
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ー糖が溶けて色が付いてきたら、鍋を揺すってグラニュー糖を溶かしていく。粉末が無くなって色が濃くなって来たら焦げ付かない様に更に揺すっていく。段々と粘りけが出てきて小さい泡が全体に立って来たら、そろそろ仕上げだ。
さっきよりも泡が大きくなってきたらお湯を大さじ1杯入れる。これを入れるとソースに水分が入り焦げにくく色も変わりにくくなる。ただし、お湯を入れる時にソースが跳ねるので火傷に注意。お湯を加えたら全体をかき混ぜ、火を止める。ケーキ型に流し込んで底全体に拡げる。これでカラメルソースはOK。
お次はプリン液だ。卵を溶き、砂糖を加えて混ぜる。砂糖が溶けたら牛乳、バニラエッセンスを加えて更に混ぜる。全体が混ざったらザルで濾す。ザルで濾したら今度は目の細かい茶漉しで濾す。こうする事で、滑らかなプリンが出来上がる。やらないと出来上がりにムラが出来るからな。プリン液も出来たらケーキ型に流し込んでおいたカラメルソースが冷えて固まっているのを確認してから、プリン液を流し込む。天板にケーキ型を置き、周りにお湯を張る。焦げ目を付けない為にアルミホイルを被せ、オーブンへ。余熱は160℃だったが、焼く温度は150℃で50分程。オーブンの性能によってそこは前後するから注意してくれ。それと、たまに焼け具合を確認する事。温度が高過ぎると『す』が入って表面が凸凹になるからな。焼き上がってもすぐにオーブンから出さず、粗熱が取れるまで放置。
オーブンから出したら冷蔵庫で冷やして完成なんだが、ここで一工夫。市販されてるスポンジケーキを上に被せる。こうすると、ひっくり返して皿に盛り付けた時にカラメルソースを吸って、美味しくなるぞ!是非試してみてくれ。後は冷蔵庫で冷やして盛り付け、飾りつけをすれば完成だ。
「しっかし、よく食うなぁ」
1ホール分あったプリンが既に半分以上消えている。俺も味見のために一切れ貰ったが、残りは全て佐渡のあの小さな腹に納まっている。
「ん、そうかぁ?これくらい普通だろ。兵隊なんだし、食える時に食っとかないとな!」
にしし、と無邪気に笑っちゃいるが、その意識の根底にあるのは恐らく、大戦末期の記憶。日本が最も苦しく、そしてひもじかった頃の記憶だろう。完全に覚えている様には見えないが、無意識でその思考に影響を及ぼす程だ。その影響力は計り知れない。
「そうか。なら遠慮せずに食え」
「へへへ、やっりぃ!」
「ただし、食い過ぎて動けねぇなんて間抜けはやらかすなよ?」
「大丈夫だって。余ったら持って帰って明日食うから!」
「おいおい、姉妹にも分けてやれよ。お前だって去年対馬から飴ちゃん貰ったろ?」
去年のホワイトデー企画の時、対馬が俺と一緒にフルーツ飴を大量に作って持ち帰った。姉妹達に配る
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