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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
最終章『ふたりで…』
一人の探偵N/相棒よ永遠に
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「…探知できた。僅かだが、あの正義の魔力を感じ取った。」
「ホントに!?じゃあ…」
「いや、今から全員で行ったとしても間に合わない。向かってる途中で誠は奴に殺される。」

じゃあどうしろって言うんだ。
それはここにいる全員が聞きたいことだが、大和はそれを行動で示した。

「もう時間が無い。今の俺に出来るのは…この事くらいだ!!」

槍投げのようなフォームをとり、そして体全体には赤い稲妻が迸る。
そして彼は走り出すと勢いをそのままに

「届けッ!!」

自らの刀を、思い切りぶん投げた。

「!!」

全員が、何をしたのか分からなかった。
彼はどこかへ自分の得物を投げた。
そして、

「これでいい…追跡は、投げた刀の魔力を追えばいい。」

全ての力を使い切ったのだろう。
魔力なんて雀の涙も残っちゃいない大和はガクリと膝をつき、

「…武蔵、言った通りあとは頼んだ。」

振り返り、縮みゆく身体でそう言いながら力無く倒れた。



?


「ぐあっ!?」

一瞬の浮遊感の後、俺は地面に投げ出された。

「こ、ここは…どこだよ…!」

背中の痛みに顔をしかめながら上半身を起こし、辺りを見渡す。
そこに広がるのは

「…!!」

見た事のある建物が崩れ廃墟になった場所。
しかし1番目を引いたのは、そこにあるおびただしい数の、墓。
盛り上がった土に紐と板で作られた簡素な十字架が立てられた質素な墓。
それが、いくつも、何十も、下手すりゃ何百とずらりと並んでいた。

「一誠くん、それらが何か分かるかい?」

少し離れたところに、トンとやつが着地する。

「墓だろ…それがどうしたよ。」
「ここは学校。僕らの母校。そして、供養されているのはこの崩壊世界にて亡くなった僕の友達だよ。」
「…!」

じゃあこの墓は全部…

「固い絆で結ばれたクラスメイト、僕を慕ってくれた後輩。僕に未来を託してくれた先輩方、僕らのために教鞭を振るってくれた教師達…皆、この学校で親しくなれた"友達"だ。」

こいつがたてたのか…?

「悲しかったさ。ついさっきまで隣にいた友達が、次の瞬間頭を食われ事切れている。この世界は、あまりにも残酷だ。いとも簡単に、築き上げた僕らの絆を奪っていく。実はその気持ちをキミにも分かってもらいたくて、さっきあんなことをしたんだ。」

隣にいた大切な人が一瞬で命を奪われる。
確かにその痛みは知った。知らされた。でも…

「だからって…おっきーを殺すこたぁねーだろうがよ!!」

DTマグナムを抜き、やつめがけ発砲する。
しかし正義にはまだ力が残っている。弾丸ごとき簡単に避けられてしまう。
そして近付かれ。

「学生が、こんな玩具
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