第十五話 慣れてきてその十一
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「その人が責任取らないと」
「誰だってそう考えるわね」
「ええ、けれどなのね」
「そんなことしなかったのよ」
そうだったとだ、娘に話した。
「今もね」
「一人も責任取ってないのね」
「それで他の人に責任転嫁してるのよ」
「邪悪ね」
咲はここまで聞いて思わずこの言葉を出した。
「その行いだけでも許せないのに」
「そうでしょ」
「ええ、邪悪と言うしかね」
「絶対の善も絶対の悪もないけれどよ」
「邪悪ってあるわね、お姉ちゃんともそんなお話したけれど」
「あるわね、ただ最近咲愛ちゃんと前よりも仲良くなってるわね」
「やっぱり駄目?」
愛との関係についてだ、咲は問い返した。
「お姉ちゃんと一緒にいるのは」
「あの派手なところがね」
「お母さんもお父さんもどうかって言ってるわね」
「ええ、けれどちゃんとしてるところはね」
「ちゃんとしてるでしょ」
「だから派手なところを真似ないと」
それならとだ、母は咲に話した。
「最近思いはじめたわ」
「そうなのね」
「意外とちゃんとしたこと咲にも教えてるみたいだし」
「危ないところとか教えてくれるわ」
「やったらいけないこともよね」
「それで私も参考にしてるの」
「そうだといいけれどね」
こう娘に返した。
「それならね、けれどね」
「派手なところはなのね」
「あまり真似しないでね」
「お姉ちゃんも私に似合うのって言ってるから」
「そうだといいけれど」
「あとお姉ちゃん下着は白だし」
このことは見てもそうだった、そしてそのデザインも決して派手なものではないシンプルなものである。
「妙にこだわりがあるのよ」
「下着はそうなの」
「物凄く普通よ」
愛のその下着の話をさらにした。
「別によ」
「派手でもないのね、下着は」
「むしろ地味よ」
「下着に色々出るっていうわね」
「派手な下着だとっていうわね」
「やっぱり派手な娘ってね、根っからの」
「そうなるのね」
母に応えた。
「じゃあ下着が地味で清潔系なら」
「その上の服装が派手でもね」
それでもとだ、母も答えた。
「やっぱり根はってなるわ」
「お姉ちゃんあれで男遊びとかしないし」
「それで麻薬とかもなのね」
「絶対にしないしアルバイトも真面目にして」
アイスクリーム屋でのそれもというのだ。
「今度ゴールデンウィークでも時間があったら」
「一緒に遊ぶのね」
「そうお話してるし」
「まあね、愛ちゃんはお母さん達が思っている以上に真面目ね」
「だからファッションだけで」
愛が派手なのはというのだ。
「別にね」
「中身はなのね」
「真面目だから」
それでというのだ。
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