第三百六十九話
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第三百六十九話 もう一本
葵は今飲んでいるワインのボトルを全部空けた、赤音はそれで終わりかと思ったがここで、だった。
もう一本出して自分で空けてこう言った。
「気が乗ってきたから」
「えっ、まだ飲むの」
「もう一本ね」
「飲めるの?」
「乗ってきたからね」
それでというのだ。
「もう一本ね」
「飲めるのね」
「ええ、普通のチーズで」
ウォッシュチーズでなくというのだ。
「飲むわ」
「そうするのね」
「普通のチーズを食べてもね」
それでもというのだ。
「これが合うのよ」
「ワインに」
「そう、だから飲むわ」
「そうするのね、何かね」
赤音は姉のその言葉を聞いて言った。
「私としてはね」
「飲み過ぎっていうのね」
「お姉ちゃんお顔真っ赤だし」
見れば実際にそうなっている。
「もう二本空けてるでしょ」
「それでもう一本よ」
「私お酒飲んだことないからよくわからないけれど」
それでもというのだ。
「三本はね」
「まあ私も普通は二本ね」
「それで三本なんてね」
それこそというのだ。
「かなりね」
「飲み過ぎっていうのね」
「そう思えて仕方ないわ」
「まあ普段は実際二本だしね」
葵もそれは認めた。
「確かに多いわね」
「あと結局全部チーズね」
「シンプルだけれどチーズが一番いいの」
「ワインには?」
「そう、ソーセージとかパスタとかお肉もいいけれど」
それでもというのだ。
「ワインにはやっぱりね」
「チーズなのね」
「あんたもそのうちわかるわ」
言いながらまた飲んだ、そうして三本目も飲むのだった。飲む調子は全く落ちずごくごくと飲んでいた。
第三百六十九話 完
2021・5・20
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