142 偽物は不具合を起こす
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誓ってベッドに入った。
房子と丸岡はレバノンの本拠地へ戻って来た。
「総長!」
和光と西川が出迎えた。本部内には赤軍のみならず東京で連続企業爆破事件を実行した東アジア反日武装戦線の面子もいた。
「皆、政府との取引に成功したわ。これが杯、護符、そして杖よ」
「これで向こうの世界に渡れば、『向こうの世界』の人達に有利に働きますし、戦争の大切さを日本どころか全世界に伝えられますね」
「ええ、今から持って行くわよ」
皆は異世界への入口に向かい、その地を通り抜けた。
「レーニン様」
「貴様ら、来たか」
「約束通りにこの三つの道具を手に入れる事ができました。それにあの手紙を出してからこれらの所有者は使用した形跡がないので政府に送った事に間違いありません」
「そうか、遂に手に入れたか。それならば我々の願いも遂に叶う。あの忌々しい奴等との戦いもこれで終わりになる」
「そして私達の計画も成功に近づきます。お互いにとっても利点が大きい」
一同はレーニンに率いられとある一室に入った。
「ここは・・・!!」
房子を始めとする赤軍の一同もこの部屋に入るのは初めてだった。部屋の中には巨大なストーブのように見える機械があり、その一角には異世界の剣が既にその場にあった。レーニンはおそらくそこでこの剣を強化していたのかと房子は予想した。
「さあ、護符、杖、杯を置くのだ」
「畏まりました」
房子は護符を、丸岡が杯を、そして日高が杖を機械の置き場に置いた。
「起動するぞ。これで我が世界を強化できる。そして私が嘗ていた世界、つまり貴様らがいた世界でも貴様らの理想通りの世になる。起動するぞ!」
レーニンは機械を起動した。機械がビビビとなって光り出した。
「遂に来るのね・・・。私達の理想の世界が創られる時が・・・」
その時、機械の光が一瞬消えた。
「・・・え?」
皆が唖然とした。そして機械が縦に、そして横にガタガタ震えた。
「何だ、この不自然な動きは?重信房子、この道具は本当に本物の護符、杖、杯なのか!?」
「はい、偽物のようには見えませんでした」
(やっぱり偽物なの・・・!?)
房子はレーニンに献上する前から怪しんでいたが、騙された事に政府に怒りが込み上がった。その時、どこからか声が聞こえた。
「君達の計画は既にこちらにはバレている」
「この声は!?誰なの?」
房子は聞いたが、声の主は返事をせずにテープレコーダーのようにそのまま話を続けた。
「君達が政府から渡された杖、護符、そして杯は偽物だ。そしてここで君達がこれらを理想を実現する為の道具として使う時にこれが偽物と判明する仕組みとなっている。その偽物は君達の計画を狂わせ、そこの世界の人間も弱体化していく仕組みとなっている。今そこにある剣は本物の為、弱体化は不完
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