第6節「装者達の黄昏」
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力を持たない小さな背中で、俺たちを守ろうと立ち塞がる。
無茶だ。そして危険過ぎる。こちらは丸腰、あちらには武器もノイズもある。敵うはずがない。
それでも、俺達を守ろうとするその背中には、小さな勇気が宿っていた。
そして、その勇気に応えるかのように……希望はあちらからやって来た。
「させないデスよッ!」
「…………ん?」
頭上からの声に、レイアは橋の上を見上げる。
そこに立っていたのは……ファミレス『イルズベイル』ののぼりをマントのようにはためかせ、スーパーヒーロー立ちしている暁切歌の姿だった。
「き、切歌ッ!?」
「ふんっ!」
切歌はのぼりをバッと投げ捨て、ギアペンダントを取り出すと、自らの聖詠を口ずさんだ。
「──Zeios igalima raizen tron──」
夜を引き裂く曙光の如く。
獄鎌・イガリマを身に纏い、暁切歌は暗闇を切り裂き降り立った。
ff
「危険信号点滅ッ!地獄、極楽、どっちがいいデス──」
空中でギアを纏い、そのまま繰り出す先手必勝。
3つに分裂した大鎌の刃先を、振り下ろす勢いに乗せてブーメランのように投擲する、切歌の得意技。
〈切・呪りeッTぉ〉
放たれた刃は弧を描き、アルカ・ノイズの群れを左右からの挟撃する。
アルカ・ノイズは真っ二つとなり、背の高い人型、並びにオルガン型から先に、その数を減らしていく。
(まずは邪魔になりそうなノイズを──ぐッ!?)
しかし、切歌のギアからはバチバチと紫電が飛ぶ。
適合率不足による、ギアからのバックファイアがその身を蝕んでいる証だった。
適合率の足りていない装者は、ギアからのバックファイアによりその身を損なう。LiNKERとは、その身体的負荷を低減させるため、一時的に適合率を引き上げる薬剤なのだ。
(……LiNKER無しだから……でもッ!これ、くらい……大丈夫……デスッ!!)
呪りeッTぉで首を落されてなお、アルカ・ノイズはこちらへと向かってくる。
殺戮機械として造られたノイズに、痛覚を始めとする感覚器官は存在しない。倒されるまでは、こうして標的を狙い続けるのだ。
切歌は鎌を握ると、今度は肩アーマーからバーニア噴射を行い、コマのようにグルグルと高速で回転し始める。
〈災輪・TぃN渦ぁBェル〉
回転しながら移動し、広範囲で敵を切り裂いていく。
先の一撃で倒せなかった人型だけでなく、イモムシ型も巻き込まれ、バラバラに切り裂かれて消滅した。
(まだまだいるデスね……ッ!)
「派手にやってくれる」
「切り刻む
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