参加者VS怪物たち
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「アイツは……!」
ウィザードは、その姿に思わず声を上げた。
以前、ファントムと戦っていたウィザードの前に現れた謎の存在。あの時との違いは、胸の光が水色ではなく、点滅を繰り返す赤になっていることだろうか。
彼はウィザードを一瞥すると、崖下の化け物たちへ滑り降りていった。
「おいおい、ハルト! 何なんだよアイツは!?」
何はともかく、ビーストがウィザードへ問い詰めた。彼の指は、真っ直ぐ赤のヒューマノイドに向けられている。
「いや、俺に分かるわけないでしょ!」
そういっている間にも、化け物たちと赤のヒューマノイドの崖での戦いが始まる。
だが、急勾配になっている崖では、一人のはずの赤のヒューマノイドが優勢だった。
蹴り、パンチ。滑り降りながらの格闘は、怪物たちを殴り倒し、全てが崖下で折り重なっていった。
「保登さん……」
それは、可奈美の背後の紗夜の発言。その突拍子のなさに、ウィザードは思わず振り向いた。
「保登さんって……ココアちゃん!? あの赤い奴が!?」
その問に、紗夜は頷く。
信じられない間にも、赤のヒューマノイドの戦いは続く。
ブロブの化け物をジャイアントスイングで岩石の化け物にぶつけ、ムンクの化け物の触手を引きずり出して狼男を束縛する。
さらに、胸の灯より放たれた光線が、怪物たちを薙ぎ払う。
一気に横倒しになった怪物たちを見て、赤のヒューマノイドはウィザードたちへ目線を投げた。
敵意か。そう警戒したウィザードたちだったが、彼が頷くのを見て、その意図を察した。
「みんな……行くよ!」
「っしゃあ!」
「う、うん!」
「皆まで言うな!」
ウィザードの掛け声を合図に、それぞれの動きが始まる。
青から赤に変わった魔法使いが銃を向け
龍騎士がカードを装填し
刀使の体が深紅となり
古の魔法使いが指輪を剣に指す。
『フレイム シューティングストライク』
『ストライクベント』
「太阿之剣!」
『4 バッファ セイバーストライク』
四つの攻撃が、起き上がった怪物たちに命中。怪物たちの体から、抵抗の気力を削ぎ落した。
そして最後。
トドメとして、赤のヒューマノイドが続く。
左手。そして右手。腰の位置でクロスさせたそれらに、電流が迸る。それをゆっくりと胸の位置に持ち上げ、伸ばす。
それが、彼の必殺技の合図。両手をLの字型に交差させ、垂直の部分の右手から発射される光の奔流。それは、怪物たちを一口に飲み込み、貫通する。
怪物たちは、やがて全身を青く染め上げていく。
やがて、分子の一つ残らず崩壊を起こし、爆発。
その姿は、この世界から消失した。
「やった……」
未知の怪物たちを倒し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ