第二百十三話 包囲してその十一
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「したくないな」
「人を餓え死にさせることは好きじゃない?」
「それもあるけれど時間がかかるだろ」
「戦は出来るだけ短くだね」
「今回の戦もかなり金がかかってるしな」
「これ以上長くなるとね」
「もっとかかるからな」
金を消費してしまう、だからだというのだ。
「俺としてはな」
「戦は短くだね」
「まして兵糧攻めにしなくても勝てるしな」
「囲んでるし装備もこちらの方が上でね」
「数だってそうだしな」
「それなら」
「ああ、攻めてな」
そうしてというのだ。
「どっちの軍も降すな」
「まあ兵糧攻めにしたら損害は減るし」
こちらのそれはとだ、美奈代はこのことから話した。
「敵の兵糧も空から爆撃すれば」
「燃やせるな」
「それが出来るで」
「だからやろうと思えばだな」
「すぐに出来て」
その兵糧攻めをというのだ。
「それで囲んだらな」
「一週間位で敵は音を上げるな」
「そうなるで」
「ああ、けれどな」
「流石に敵もわかっててな」
「空から攻めるにしても兵糧は地下に埋めてまでしててな」
「守ってしかも対空もな」
美奈代もわかっていた、それでこうも言った。
「かなりやしな」
「だからな」
「それはせんか」
「空船の損害が大きくなる」
それ故にというのだ。
「だからな」
「それはせんな」
「むしろ囲んでるしな」
「素直に攻めた方が損害は少ない」
「砲撃や銃撃でな、それでいくぜ」
こう言うのだった。
「騎士団軍との戦いの通り水路を使ってな」
「渡ってそしてこちらが障害に利用して」
「戦っていくな」
「そしてやな」
「勝つぜ、それでいいな」
仲間達に対して言った。
「異論はないな」
「なし」
十二人全員がこう言った、久志はそれを受けてまた言った。
「よし、じゃあな」
「戦を続けてくな」
「そうしていくな」
確かな声での返事だった、そのうえで王国軍そして連合王国軍とも戦っていくのだった。
第二百十三話 完
2021・6・8
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