第五章
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「野党自体がそうだけれどな」
「本当に税金の無駄遣いだな」
「この女も野党もいらないよ」
「こんな奴通す選挙区の奴等何やってるんだ」
「まともな奴当選させろよ」
「少なくともこいつは駄目だぞ」
石垣はとだ、誰もが口々に言った。そして。
石垣の評判は彼女が何か言う度に落ちていった、だが彼女自身はそんなことを言われてもマスコミの擁護を受けて平気で。
他人を責め続けた、だが評判が落ちたのは致命的で遂に選挙で落選した。すると多くの者が口々に言った。
「落選じゃ駄目なんですか?」
「一番どころじゃなかったですね」
「これが国民の声ですよ」
石垣自身に言った、そして落選した途端に。
汚職や収賄その他の様々な違法行為が明らかになり国籍の問題が本格化して警察も動いて遂にだった。
逮捕された、かつて彼女のことをネットで言った学者は笑って動画の中で言った。
「まあこうなることはね」
「思ってましたか」
「だってああした人ですから」
「自分に甘くて他人に厳しいですね」
「そうした人ですから」
それでというのだ。
「国籍だけじゃなくて」
「汚職とですか」
「多分な、ですけれど」
「やっていたとですね」
「思ってました」
「そうだったんですね」
「はい、しかしああして人のことを言ってばかりで」
そうしてとだ、学者はさらに話した。
「自分のことはなおざりでも人の欠点を言えてです」
「自分は凄いと思う人はですね」
「本当に実はです」
自分はどう思っていてもというのだ。
「大したことがないです」
「人ばかり見て自分を見ていないからですね」
「説教好きな人もそうじゃないですか」
「ああ、確かに」
コメンテーターもそうだと頷いた。
「実は大したことない人多いですね」
「人の振り見て我が振りなおせって言いますし」
「人のことをあれこれ言う前にですね」
「自分を見ることですね、そして自分を磨くことです」
「それが大事ですね」
「さもないとああした人になりますよ」
「そう思うと僕も気をつけないといけないですね」
「僕もです」
二人でこう話した、そして石垣は逮捕されてからも反省せずメディアであれこれ言った。だがもう誰も彼女に耳を貸す者はいなかった。大したことはないので。
勘違い女 完
2021・2・14
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