出会い編
第二話 知った顔
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和樹は部屋まで連れていかれた。案内したのは、眼鏡をかけたメイドだった。
本来ならリーラが客を案内するのだそうだが、主人である老人の許にいなければならないらしい。かわりとしてこのメイドが案内することになったのである。メイドはエーファと名乗った。
エーファ「こちらの部屋をご利用ください。中の掃除はすんでおります。お食事はすぐに運ばせますので・・・・」
和樹は礼を言うと、部屋に入ろうとする。
エーファ「あっ、待ってください・・・そこには段差がございますので、お気をつけて・・・・きゃあっ!」
和樹は手を伸ばし、彼女の身体を支えた。
和樹「大丈夫か?」
エーファ「す、すみません。わたしって要領悪くて・・・」
和樹「転ぶのは要領じゃないと思うが」
エーファ「本当にすみませんでした。こ、こんなことで式森様の手をわずらわせたと知れたら・・・どうしよう・・・」
彼女の顔がどんどん青くなった。
和樹「そんなに気にすることないって、それより怪我がなくてよかった」
和樹は彼女に向かって微笑む。エーファの顔が赤くなった。
エーファ「本当に申し訳ございませんでした。ではその、これで・・・」
エーファは頭を下げると、足早に去っていった。
和樹はすぐベッドに寝転がり疲れを癒そうとした。
だんだん眠くなり、うとうとしていたら、ノックが聴こえた。
和樹「はいどうぞ」
リーラ「失礼いたします」
リーラが深々と礼をした。
和樹「あ・・・はい?」
リーラ「お食事をお持ちしましたすぐに用意しますので、お座りになってお待ちください」
リーラは豪華な料理が載っているカートを押して室内に入った。
豪華な料理だった。スープに始まり、次々と豪華な料理が運ばれる。フォアグラが出てきたころ、和樹は
リーラにたずねた。
和樹「あのさ、リーラってメイド長だろ?」
リーラ「・・・確かに私はメイドたちの長を任せられております」
和樹「城の主人が待ってるんじゃないのか」
彼女は、ちらっと和樹を見た。
リーラ「ですが今は式森様に仕える身。お気遣いは無用です」
和樹「そうなんだ・・・・あのさ、こんなこと言うのもなんだけど、ここの主人、結構な年だろ。万が一なんかおこったら、どうするんだ?」
リーラ「そのことなんですが、明日ご主人様から大事なお話がございます」
それを聞いた和樹はなにかを考える。
リーラ「式森様・・・・」
和樹「え、なに?」
リーラ「早くお召し上がりください。料理が冷めてしまいます」
和樹「ああ、・・それじゃ・・・いただきま・・・・ん?今なにか聞こえなかったか?」
リーラ「いえ、なにも聞こえませんでした
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