暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第91話:得体の知れない魔法使い
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それに同意しようとしたその時、殺気を感じた透はそちらに向けてカリヴァイオリンを構えて防御の体勢をとった。
 何をとクリスが問う前に、透が攻撃を受け後退りさせられた。

「透ッ!? 何もんだ、テメェッ!!」

 敵の攻撃に吹き飛ばされた透に駆け寄りながら、クリスが新たな敵にアームドギアのボウガンを向ける。

 現れた敵……グレムリンは、生身の状態で武器を向けられているというのに余裕そうな表情を全く崩さない。

 透はグレムリンが只者ではない事を即座に見抜き、立ち上がるとクリスを守るようにしながらカリヴァイオリンを構えた。それだけでクリスもグレムリンに対する警戒を強めた。

 2人から警戒を向けられ、しかしグレムリンは楽しそうに笑っている。

「フフフッ……さぁ、遊ぼうか?」
〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン。チェンジ、ナーウ〉
「変身」

 グレムリンはメイジに変身した。緑色の仮面をした、幹部のメイジだ。両手には透の物とはデザインが違う双剣を持っている。

 睨み合う透・クリスとグレムリン。先に動いたのはグレムリンの方だった。

「ハハッ!」

 いきなり加速するグレムリンに、僅かに反応が遅れるクリス。対して透は素早く反応すると、グレムリンが放つ二刀を受け止めた。

 そのまま始まる激しい剣戟。互いに双剣を武器にした2人の戦いは正に一進一退の攻防を見せた。互いに素早さが持ち味なのか、剣を振るう速度は目にも留まらず目まぐるしく立ち位置を変えるのでクリスは誤射を恐れて援護する事が出来ない。

 そんな中、グレムリンが一旦透から距離を取ると次の瞬間一気に接近して二刀を振るってきた。常人が相手なら反応も出来ない程の速度の攻撃。しかし透にはそのグレムリンの動きが見えていた。

 透は持ち前の反応速度でグレムリンの動きを見て、相手の動きに合わせてカウンターで攻撃を仕掛け――――

「――――えっ!?」

 その瞬間の光景をクリスは信じられなかった。彼女の目から見ても、今の透のカウンターは確実にグレムリンに直撃する筈だった。だが現実には、透の放った一撃はグレムリンの鼻先を掠めるだけで虚空を切り裂くに留めた。

 まさかのミスに、透も一瞬思考が停止してしまう。
 グレムリンはそこを見逃さず、無防備を晒す透に二刀による攻撃を見舞った。

「ッ!?」
「アハハッ!」
「透ッ!?」

 透が攻撃を外した事、直撃を容易く喰らった事が信じられないクリス。

「そらそらッ!」

 それだけでグレムリンの攻撃が終わる訳がない。剣を構え、次なる攻撃を仕掛けるグレムリンを透は迎え撃つ。

 が、そこからの戦闘はほぼグレムリンの独壇場だった。
 とにかく透が攻撃も防御も外しまくるのだ。どう言う訳か、
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