亜空間再び
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ってたの?」
「うん。……とても、手強いよ」
「だろうね」
ウィザードと可奈美は、互いにそれぞれの得物を構える。
その時。
「おやおや。君もいたのか」
その声に、ウィザードは顔を上げた。
忘れもしない声。
「フェイカー!?」
並ぶ二体の怪物。そのすぐ頭上に、それはいた。
仮面をつけた、群青色のサーヴァント。
「やあ。松菜ハルト君。またこの公園で会ったね? ……ここを公園と呼んでいいのかは分からないけど」
「今度は何を企んでいる? この場所もお前の仕業か!?」
「あれがフェイカー……!?」
可奈美もまた警戒を示す。
そんな可奈美を見下ろしながら、フェイカーは左手を伸ばし、貴族のように礼をする。
「初めまして。衛藤可奈美ちゃん。私はフェイカー、トレギア。今後ともよろしく」
「それがお前の名前か……」
『ハリケーン スラッシュストライク』
それ以上の言葉を語らず、ウィザードはトレギアへ緑の斬撃を放つ。
トレギアもまた、右手の爪で空間を裂き、赤い斬撃を放つ。
緑と赤の斬撃が、空中で相殺し、爆発した。
「おいおい。君は戦いを止める派なんだろう? いいのかい? 私をいきなり攻撃して」
「お前は危険すぎる。まどかちゃんを攫ったり、何を考えているのかが分からなさすぎる」
「ひどいなあ。ランサーは、少しは会話しようとはしてくれたのになあ」
「ランサー?」
「響ちゃんに会ったの!?」
その発言に、可奈美が一歩踏み出す。
すると、トレギアは肩を震わせた。
「安心して。殺してはいないさ。それより、この結界は君のものではないようだ」
トレギアはそう言って空を仰ぐ。
ウィザードは警戒を解かずに聞き返した。
「これは、お前の仕業じゃないのか?」
「まさか。こんな世界に君たちと手駒を閉じ込めてもメリットなんてないじゃないか」
トレギアはそう言って、右手から雷を放つ。
巻き起こされた爆炎により、ウィザードと可奈美は視界を奪われた。
さらに、その中から、二体の怪物たちが迫る。
ウィザードは可奈美の前に出て、二体の怪物を体で食い止める。
同時に、上の悪魔が囁く。
「じゃあ、頑張ってくれよ」
「あ、待て!」
「ハルトさん! 頭を下げて!」
可奈美の声に、ウィザードは従う。
エメラルドの頭上を深紅の刃が切り裂き、怪物たちの頭部から火花が散る。
大きく後退した二体の怪物たちに対し、ウィザードにも反撃のチャンスが訪れた。
「まずはこっちか!」
『ハリケーン スラッシュストライク』
竜巻を纏うウィザードの刃が、二体の怪物をまとめて引き裂く。
未知の怪物たちが倒れ込むが、元凶であるトレギアがど
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