亜空間再び
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?」
胸の点滅が加速する。
だが、それでも赤のヒューマノイドは倒れない。
やがて。
赤のヒューマノイドは、大きな唸り声とともに、ネズミの口に拳を叩き込んだ。
大きく後退するネズミの化け物。
さらに、赤のヒューマノイドは次の行動に映る。
右腕の装備に灯す、淡い光。それを頭上に掲げ、光がドーム状に広がっていった。
「あれは……学校でもあった……」
光は、紗夜を追い出すように、自身の立場だけを取り除いて広がっていく。
だが、その時、紗夜は無性にこの赤のヒューマノイドの正体が気になってしまった。ココアが正体という意味ではなく、何者なのかを。
紗夜は、思わず光の波の中に踏み入る。同時に、周りの景色が、夕焼けの森から、殺風景な遺跡へと変わっていった。
光のドームは、非戦闘員を排除しながら、公園内の戦闘を巻き込みながら広がっていく。
ウィザードとブロブ。
可奈美と狼男。
ビーストとムンクの叫び。
異なる位相にいる龍騎と岩石生物。
気絶からようやく起きた響と友奈。
そして、トレギア。
やがて、怪物たちを含めた戦闘員たちは、虹色の空が支配する遺跡にいたのだった。
「ここは……?」
風のウィザードは、その摩訶不思議な空を見上げた。
ブロブの怪物は、よりウィザードに対し、興奮の色を示している。より強い勢いで攻撃を加え、ウィザードも風としての機動力をもってそれを避ける。
「この場所のことより、先にあいつか……」
倒せない敵ではない。それが、ウィザードの結論だった。
当初は土のウィザードで圧倒していたが、あろうことか飛行能力を披露した。対応するために風のウィザードに変身し、ソードガンの刃で撃墜したところでこの空間に巻き込まれたのだ。
「うおっ!」
「キャッ!」
警戒している時、背中に重いものが落ちてきた。
ウィザードの上に山なりに重なるのは、ウィザードにとっても見覚えのある人物。
「可奈美ちゃん!?」
「え!? ハルトさん!?」
全身に痛々しい傷跡が残る可奈美だった。
可奈美はすぐさまウィザードから退き、そのまま助け起こした。
「どうしてウィザードになってるの?」
「可奈美ちゃんこそ。……ていうか、千鳥持ってきてたんだ」
「ギターケースは手放せないよ。ここ最近。それより……」
可奈美が、ブロブの怪物を睨む。
「何? あれ」
「俺も知りたい」
見れば、ブロブの怪物の隣には、新しい怪物が並んでいた。
狼のような姿形をしているものの、その頭は三つある。しかも、左右の頭にはそれぞれ目が一つずつ。中央の顔には、目がそぎ落とされているではないか。
「……可奈美ちゃんは、あれと戦
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