第六十五話 心配していてその十八
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「それであの子は嫌いな相手でも認められる様になったでしょ」
「だからなの」
「それで千里はその二人を見て色々勉強出来たわね」
「それはね」
そう言われるとです。
「確かにね」
「だから三人にとってね」
「よかったのね」
「全員にね、このことを生かしていくのよ」
これからはというのです。
「いいわね」
「それじゃあ」
「もうすぐ大学生だしね」
「そうね、あと少しでね」
そう言われるとでした。
「私も大学生ね」
「大学は人生の勉強をする場所よ」
「おみちのことだけじゃなくて」
「全体をね」
まさにというのです。
「勉強してきなさいね」
「お母さんよくそう言うわね」
私が卒業してから特にです、それで今も言いました。
「大学はそうした場所だって」
「ええ、実際にそうだからね」
「おみちのことだけでなくなのね」
「人生をなのよ」
「そうなのね」
「だから色々経験してきてね」
私にこうも言ってきました。
「いいわね」
「それじゃあね」
「それとね」
「それと?」
「あの子は大事にしなさいね」
「阿波野君は」
「そう、折角お引き寄せがあったから」
だからだというのです。
「大事にしなさいね」
「仲良くなのね」
「そうよ、叱るべき時は叱らないと駄目にしても基本優しくね」
「優しくしてるつもりよ」
私にしてはです。
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