暁 〜小説投稿サイト〜
大阪の烏天狗
第二章

[8]前話 [2]次話
「仏教のお寺興味あるのか」
「日本文化だからね」
「お寺もね」
 だからだとだ、二人は潤に答えた。
「それでよ」
「今回案内お願いしたのよ」
「両手に花でいいでしょ」
「同じクラスだし潤話しやすいし」
「同じバレー部だしね」
「両手に花って言っても彼氏でもないしな」
 潤はそれでと返した。
「そうしたことも出来ないしな」
「したら怒るわよ」
「紳士でいってね」
「そんなのするか、俺が好きなのは黒髪ロングでな」 
 潤は二人に返した。
「それで切れ長の目で着物の似合う」
「それまんま商業科の厚生委員長さんじゃない」
「あの人じゃない」
「女子野球部のセカンドの」
「あの人じゃない」
「いや、あの人は婚約者いるし髪の毛の話題すると怒るからな」
 だからだというのだ。
「ちょっとな」
「真面目で優しくて面倒見いいっていうけれど」
「普段は穏やかで」
「それでもちょっと額が広いとか禿とか言うとな」  
 それでというのだ。
「アイアンクローだからな」
「じゃあ言わないでいいしょ、髪の毛のこととか」
「額とかね」
「そうよね」
「けれど普段はね」 
「いい人か、まあな」
 それでもとだ、潤は言った。
「俺の好みはそういうことでな」
「私達見て何も思わないの」
「そうなの」
「ああ、友達とは思ってもな」
「彼女にしたいとかはなのね」
「思わないのね」
「俺が好きなのは大和撫子なんだよ」 
 あくまでというのだ、そうした話をしながらだった。
 潤は二人に四天王寺の中を案内していった、そこは歴史が存在しかつ信仰もあった。だがここでだった。 
 ふとだ、アリサが潤に言った。その言うことはというと。
「ここにも妖怪出るの?」
「妖怪?」
「だって歴史あるところだから」
 それでというのだ。
「妖怪出るの?」
「そうよね、歴史ある場所ならね」 
 ノンナも言ってきた。
「幽霊の一人や二人ね」
「出てね」
「それでそのことも観光スポットになるのよね」
「そうそう、ロンドン塔もそうだし」
「古いお城とかね」
「それはイギリスだろ」 
 潤は二人の出身地のことを念頭に返事をした。
「確かにイギリス幽霊多いよな」
「あと妖精もね」
「そうしたお話は一杯あるわ」
「スコットランドでもだし」
「ウェールズでもね」
 イングランドだけではないというのだ。
「アイルランドでもだし」
「もうイギリスっていったらね」
「それは俺も知ってるけれどな」
 それでもとだ、潤は二人に反論した。
「ここは日本だからな」
「歴史がある場所でも妖怪いないの」
「幽霊も」
「いる場所もあるけれどな」
 潤もそのこと自体は否定しなかった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ