140 大戦前夜の宴
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
房子と丸岡は飛行機でレバノンへと向かう。
「これで全ては揃ったわね」
「はい、本拠地でレーニン様に献上したらもう安心だ」
「しかし、あれは偽物ではないかしら?」
「まだ疑ってんですかい?」
「ええ、でも本物のようで何か仕掛けでもあるんじゃないかしら?」
「まさか、それに和江と正生を向こうに送りつけましたし、憲法9条の改正も確約されるはずですよ」
「だといいんだけど・・・」
フローレンスの説明会は続く。
「皆様、ご同意ありがとうございます。私達の世界の人達も貴方方に全力で協力してくださります。そして皆様にはそれぞれの役割をお願いしたいと思います。担っていただきます役割は四つ。一つ目は『本部周辺の守備』。私達も迎撃してはいますものこの本部を狙います者が後を絶ちません。その為我々の世界の周囲を警護し、侵入してきました敵と戦っていただきます。二つ目は『敵に支配されている場所の攻撃』。これは私達の世界は今戦争を正義とします世界に次々と領土を奪われています。その地を奪還しに動いていただきます。三つめは『剣の奪還』。今、敵の方に剣がありますと思われますが、その剣を取り返す役目です。そして四つ目は『藤木茂君の捜索・救出』。赤軍は政府に憲法9条改正と護符・杖・杯の献上の交換条件として静岡県清水市に住む藤木茂君といいます少年をお返ししますと言いましたが、その割には全く返しますつもりに見えません。しかし、クリスマス・イブの夕方にその少年は敵の世界によって連れ去られましたと判明しております。その藤木茂君を探し出して頂きたいのです」
(藤木君はこの世界にいる・・・)
奏子は隣の家に住む笹山かず子が藤木がいなくなって寂しがっていた事を思い出した。
「皆様にそれぞれどの役割を担って頂きますかは手紙の色変わりで決めましょう。本部守備します者は黄色、領土攻め込みをしていただきます者は緑色、剣の奪還に行きます者は赤色、そして藤木茂君の救出をしていただきます者は青色に手紙を変色させます」
(手紙が変わる・・・。私はどれを担当するんだろう・・・?)
かよ子は自分の係がどれになるかドキドキした。とはいえ、どの役割にせよ、全力で行わない訳にはいかないが。
(私、大野君と一緒がいいわあ・・・)
冬田は大野と一緒の役割になれる事を願った。
「では、変色させましょう」
フローレンスは指を鳴らした。それぞれの持っている紙の色が変わる。かよ子の手紙は・・・。
「あ、青になった・・・」
かよ子は気づいた。つまり、自分に課された役割は藤木を奪還する事であると。
(杉山君はどうだろう・・・?)
杉山の手紙は緑だった。彼の役目は敵地の進撃だった。
(杉山君とは違う役目か・・・)
冬田の手紙は緑だった。
(私のは緑・・・。大野君のはあ!?)
冬田
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ