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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
焚火-カタルシス-
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、いいマスターになれる自信なんてないんだ。」
「どうして?少なくとも今の時点で、俺よりかはずっといいマスターだと思う。」
「覚悟なんて決まってない。いや、覚悟する間も無くこうやって今までやってきた。」

そう言って陸は話を続けた。

「ステンノ様から聞いたんだ。大和、人を殺せない自分が情けないのか、ずっと抱え込んでるみたいだって。」
「…。」
「俺も殺す覚悟なんてなかった。でも、そうしなきゃステンノ様を守れないからって思ったら、身体は動いてた。」

彼は、ここまで必死でやってきてことは聞いた。
様々なハンデを抱えながらステンノ様を死に物狂いで守ったと。
悩んでる暇もなかった、考える余裕もなかった。
ただ、一日一日が必死だった。と。

彼のことを考えると、俺はなんて贅沢な悩みなんだろうと思える。

「じゃあ…俺のこの力は武蔵ちゃんを守るための力…そう言いたいのか?」
「そう考えた方が、少しは気が楽になるんじゃないかなぁ…って。」
「そう…かもな。」

自分の手のひらを見つめる。
この力を持って蘇った意味。
それは…彼女を守るため。
宮本武蔵は最強だ。それこそ、1人で充分なくらいに。
でも、もしも、もしもだ。
もしそんな最強の剣豪でも、やられそうな時が来たら誰が守る?
そうだ、マスターの俺しかいない。
この力は、武蔵ちゃんのマスターに相応しくなるためとずっと思ってたがそうじゃないかもしれない。
陸の言った通りこの力は…本当に…。

「ただいまー。ってあれ?女神様は?」

背後の茂みががさがさと音を立て、武蔵ちゃんが帰ってきた。

「ああ、ステンノ様ならもうご就寝に。」
「あらそうなのね。じゃあおふたりさんはマスター同士の話し合い?」
「まぁ、そんなところで。」

そういい、哨戒を終えた武蔵ちゃんちゃんは俺の反対側へ座る。

「で、なんの話してたの?」
「特になんてことないよ。お互い、大変なんだなって話。」
「なにそれどういう意味?まるで私が手のかかるサーヴァントみたいじゃない!」
「そういうことじゃないよ。そこんとこは安心していい。」

そう会話を交えつつ、夜はふける。
なんだろう。
陸というこの一人のマスターといくらか話をしたせいか、いくらかスッキリした気がする。

そうだ。
この刀は殺すためにあるんじゃない。
守るためにあるんだと。
守るために俺は…そうだ。生まれ変わったんだ。

「じゃあ、お邪魔になりそうなんで俺はそろそろ寝ますね。」

そういい、陸はそそくさとテントへ入っていく。
本人は眠りにつこうとしたらしいが、テントの中からは「何言ってるの?寝かさないに決まってるでしょ?」という声が。

その本人、ステンノ様なんだけどもしかしてこう
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