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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
焚火-カタルシス-
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夜。

夜の森というのは思った以上に静かで、不気味だ。
フクロウのような鳴き声も聞こえるが、たまに変な生き物の声だったり不気味な生物の唸り声が聞こえたりする。
焚き火はしているから大丈夫、なんて言うが本当に大丈夫だろうか?
いや、そのための刀だ。
そうして今俺達は薪をくべながら、4人で焚き火を囲っていた。

「はい、どうぞ。」

焚き火で温められた片手鍋に入っているのは即席うどん。
出来上がったのを確認し、箸とともに白島 陸にそのまま渡した。

「いいんですか?」
「いいのいいの。たかがうどんの一個くらい。そこまで私はケチじゃありませんから!」

片手鍋を受け取り、陸はいただきますと言ってから麺を啜った。

「大和くんは?」
「ああ…俺はいいよ。なんかお腹すいてないんだ。」

出来上がっているうどんを差し出されるも、俺は手のひらを向けていらないと言う。
なんかお腹すいてない…いや、"なんか"じゃない。
お腹がすいていない理由はきちんと分かってる。
というよりも、あんなに人を斬った後だって言うのに武蔵ちゃんは平然と食べている。
人を殺すという罪悪感と嫌悪感。俺はそれに支配され、食欲なんてどこかへ消え失せてるのに。

「食べないんですか?」
「ほら、少年も心配してるし。サーヴァントならまだしも大和くんは人間なんだから、とりあえずお腹に何か入れとかないと!」

そういい、武蔵ちゃんはうどんを差し出してくる。
…仕方ない。
食欲は湧かないけど、食べよう。

箸を持ち、片手鍋を握る。
スープに映るのは夜の空じゃなく、自分の顔。
浮かない顔をしている。何か嫌なことでもあったかのような、本当に浮かない顔だ。

「あの時襲ってきた男達…何者なんだ…。」

白島陸という少年とステンノを襲った謎の男達。
皆同じ服を着ていたので、どこかの組織とか部隊とかなのだろうか?
それに、森の中で武蔵ちゃんを勧誘しようとしてきた彼らもまた、同じ服装であった。
一体彼らは、何者なんだろうか?

「知らないんですか、葛城財団。」
「か、カツラギザイダン?」
「そう。世界がこうなってから有名になった財団みたいなんですけど、とにかく怪しいというかドス黒い闇を抱えてるというか…。」
「なんだそれ…詳しく聞かせて欲しい。」

と、陸の言った通りあの謎の団体は『葛城財団』という事が分かった。

「表では施設とか町の復興のための資金援助とかしてるっていう慈善事業みたいな感じなんですけど、もしそこにサーヴァントがいた場合、見返りとしてそれを求めてくるんですよ。」
「もし、断れば…?」

森の中でもそうだ。
アタッシュケースに入ったお金で武蔵を買おうとした。
そして断ったら襲われた。
とすると、

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