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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
春季大会開幕!
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「まぁ……忙しい人だからね」

なんだか歯切れの悪い言い方に首を傾げる。その間にも同じ一年生の紗枝や若菜(ワカナ)に急かされ、急いで先輩たちが控えている一塁側ベンチのスタンドへと向かう。

『明宝学園高等学校、シートノックにお入りください』

私たちが席に付いたタイミングで、まるでタイミングを図ったかのようにそんなアナウンスが鳴る。
それを聞くと、声を出して先輩たちが守備へと散っていく。

「うわ……めっちゃコントロールいい……」
「ボールも全然落とさないね」

さすがに実績があるだけあって先輩たちの守備はすごくうまい。送球ミスもなくエラーも見られない。見ていて思わずタメ息が漏れるくらい安定している。

「あれが監督?」
「あ、世界史の……」

ノックを打っている男の人を見て誰が監督なのかようやくわかった。一年生の間でもよく話題に上がる世界史の教師、真田先生だった。

「学年主任だもんね、そりゃ忙しいか」
「まぁ……他にも理由は色々あるけどね」

瑞姫が相変わらず何かを濁しているけどそれは気にしなくていいや。ていうかあの先生、全然運動しているイメージがなかったけどこんなにノック打てたんだ。それだけで少し意外な気がする。

『東京都女子硬式野球、春季大会二回戦第ーーー」

先輩たちのノックに目を奪われながらその様子を見ていると、不意にアナウンスが流れる。それは両チームのスタメン発表のアナウンスだった。

まだ入部して日が浅いため、誰がどのポジションを守っているのかわかっていない……というか、野球がいまいちわかっていないところもあるので、そのアナウンスに耳を傾ける。
先攻の先輩たちの名前が先にアナウンスされていくので、どこを誰が守っているかを照らし合わせながらアナウンスを聞いた結果はこんな感じ。

1番 ピッチャー 新田栞里(ニッタシオリ)
2番 ショート  高嶋伊織(タカシマイオリ)
3番 ライト   坂本陽香(サカモトハルカ)
4番 セカンド  渡辺優愛(ワタナベユア)
5番 キャッチャー水島莉子(ミズシマリコ)
6番 センター  菊池明里(キクチアカリ)
7番 ファースト 東 葉月(アズマハヅキ)
8番 レフト   中島美穂(ナカジマミホ)
9番 サード   村岡曜子(ムラオカヨウコ)



「え?優愛ちゃん先輩4番なの?」
「4番って一番打てる人じゃないんだっけ?」

野球部に入ったからにはと少しずつ調べているんだけど、4番バッターはチームで一番いいバッターが入るって聞いてたから、あの能天気な優愛ちゃん先輩がそんなところにいるなんてと思うと、少し不安感が出てくる。

「ねぇ……栞里さんの背番号9なのにピッチャーなの?」

まだ
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