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八条学園騒動記
第六百二十三話 茶道の部室へその六

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「だからね」
「それでよね」
「そう、そして」
 それでというのだ。
「キリスト教も思いきり歪めてたから」
「教会なんて」
 彰子はローマ=カトリック教会のことも話した。
「凄いかったわね」
「あれは流石にないね」
「そうよね」
 スターリングと蝉玉は彰子のその話に続いた。
「中世なんてね」
「もう腐敗と堕落の極みで」
「あらゆる悪徳を貪った」
「そんな風だったわね」
「あれだけ悪事を続けたって」
 彰子は十字軍や教会の専横、異端審問や植民地での統治のことを全て一緒にして話した。連合では全てバチカンひいてはエウロパの悪行とみなしているのだ。
「かえってね」
「凄いよ」
「悪い意味でね」
「人間あそこまで悪いことが出来るのね」
「神に仕えるべきなのに」
「それでも」
 最も神聖である筈がというのだ。
「ああして腐敗しきって」
「酷かったね」
「酷いって言っても」 
 菅もまた言った。
「まだ足りないね」
「連合にあんな宗教ないでしょ」
 七海は自分達の国のことから話した。
「千年経っても」
「カルト教団は出てもね」
 菅は七海にすぐに答えた。
「けれどね」
「あそこまではね」
「あれは唯一の宗教になって」
 欧州のだ、ローマ帝国が国教にしてからキリスト教は長い間そうであったのだ。
「そして東西に分裂して」
「ローマとビザンチウムね」
「ビザンチウムが東、正教で」
「ローマがカトリックね」
「そのローマ=カトリック教会が」
 こちらがというのだ。
「もう西欧の絶対の権威になって」
「信仰も学問も独占して」
「そこから文化や芸術もで」
「文字もそうだったから」
「情報もね」
 これもだったのだ。
「独占して」
「物凄い権力持って」
「ああなったんだ」 
 腐敗を極めたというのだ。
「力を持ち過ぎたんだ、特に知識と情報を独占したから」
「王様や貴族よりも強くなったのよね」
「皇帝よりもね」 
 神聖ローマ帝国皇帝である、名目上は西ローマ帝国皇帝である。
「そうなって」
「それでよね」
「そう、そして」
「腐敗しきって」
「もうね」
「悪事の限りを尽くす様になった」
「そうなったんだ、自分達以外を認めないにしても」
 かつてのキリスト教にそうした考えがあったにしてもというのだ。
「けれどあの腐敗はね」
「ないわよね」
「エウロパの連中だからだよ」
 菅は自分の中にある偏見を自覚なく口にした。
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