第二章
[8]前話
「そしてマンスールを救出するぞ」
「ああ、ロシア空軍の力を見せてやれ」
「ロシア軍を甘く見るなよ」
「怒ると世界一怖いことを教えてやる」
「思い知らせてやる」
誰もが奮い立ち即刻レスキュー隊が編成されてだった。
見世物小屋に派遣されマンスールは救出された、その時の彼は傷だらけで汚れきっていたがイヴァノフを見ると喜びですぐに駆け寄ってきた。
保護区の職員は訴えられ厳罰に処された、そして救出されたマンスールは。
「じゃあこれからは」
「ああ、シェルターと家を作ってな」
「そこでずっと暮らせる様にしよう」
「もうあんな思いをさせるか」
「こうなったら軍で面倒を見るぞ」
「熊はロシアの象徴だしな」
イヴァノフはこうも言った。
「そうしていくぞ」
「ああ、絶対にな」
「そうしていこうな」
「そしてそのうえで」
「マンスールを幸せにしていこうな」
皆こう言ってだった。
彼等はマンスールが基地の中で幸せに暮らせる場所をもうけてだった、いざという時に彼が安全に移動出来る為のコンテナも用意した。彼は正式に軍の所属にさえなった。
最初に彼を見付け保護し見世物小屋から救出したイヴァノフは自分の住んでいる場所の中で美味ししそうにご飯を食べているマンスールを見て同僚達に言った。
「命だ、その命を守れなくてな」
「どうして国民を守れるか」
「そしてロシアも」
「そうだ、だからな」
同僚達に笑顔で話した。
「マンスールもな」
「これからもな」
「大事にしていこうな」
「二度も助けたし」
「これからもな」
「ああ、そうしていこうな」
こう言ってだった。
イヴァノフはマンスールを温かい目で見ていた、もう彼はすっかり大きくなってまさに熊と言っていい姿になっていた。
そして多くのご飯を食べている、イヴァノフはその彼を見て笑顔になっていた。その笑顔もとても温かいものだった。
パイロットと熊 完
2021・7・28
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