第一章
[2]次話
パイロットと熊
アンドレイ=イヴァノフ大尉はロシア空軍でパイロットをしている。彼はこの時アムール州オーブラスチのオルロフ空軍基地にいたが。
仲間達と共に基地の外で訓練をしている時に子熊を発見した、子熊の周りには母熊はいなかった。
「捨てられたか?」
「それともはぐれたか?」
「子熊の傍には母熊がいるけれどな」
「探してもいないな」
「普通こんな時飛んで来るのにな」
子熊を思う母熊の気持ちは彼等もわかっている、それで近くにいると思って探してもだった。
母熊はいなかった、それで彼等は。
「仕方ないな」
「じゃあこの熊は俺達で保護するか」
「放っておけないしな」
「暫く育てるか」
「ガウ」
こうして子熊はイヴァノフ達に保護された、雄で名前はマンスールと名付けられそうして暫く基地の中で育てたがやがてこうした意見が出た。
「元々自然にいたしそれに近い環境で育てた方がいいな」
「じゃあ自然保護区に預けるか」
「そうするか」
「それがいいか」
イヴァノフはこう考えて話してだった。
実際に自然保護区に話をしてそこで引き取って育ててもらうことにした、だが預けてから保護区の職員から連絡はなく。
イヴァノフは同僚達に怪訝な顔で言った。
「おかしいな、聞いても答えてくれないぞ」
「マンスールのことをな」
「普通教えてくれるよな」
「何で教えてくれないんだ?」
「何か隠してるんおか?」
「調べるか、軍の情報網も使ってな」
イヴァノフはこう言ってだった。
軍の情報収集能力も使ってマンスールのことを調べた、すると大変なことがわかった。それで同僚達に話した。
「マンスールは見世物小屋にいたぞ」
「何っ、保護区にいないのか」
「道理で連絡がない筈が」
「あの保護区の職員マンスールを売り飛ばしていたか」
「とんでもない奴だったんだな」
「しかも鎖にずっとつながれてだ」
今度はマンスールの現状を話した、
「訓練された猟犬に襲われる見世物をさせられているんだ」
「何てことだ」
「それ動物虐待じゃないか」
「そんな悪趣味な見世物小屋まだあるのか」
「マンスールは大人しい子なのに」
「とんでもないことだ」
「あの職員は訴えてだ」
イヴァノフはさらに言った。
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