紅介「推しとデートなう」(天羽奏バースデー2021)
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り緊張してるだろ?」
「あ、ハイ。正直言うと……めっっっちゃ緊張してます……」
「ん〜……ならさ、今から敬語無しな」
「……へ?」
突然の提案に、思わず歩道の真ん中で立ち止まってしまう。
え?奏さん、今、なんと?
「ん〜?だから、今から敬語禁止だって。折角のデートなのに、なんだかよそよそしいしさ。取っぱらっちまえよ」
「いや、でも……奏さんの方が歳上じゃないッスか」
「良いんだって。今日一日だけ、あたしを呼び捨てにして、タメ口で接してもいい。誕生日なんだし、それくらい良いだろう?」
ああ……このニカッとした笑い方、沁みるわぁ……。
そんな頼まれ方しちゃったら、OKするしかないじゃん……。
腹くくれよ、穂村紅介!お前が推しの誕生日を盛り上げるんだ!!
「分かった。じゃあ……どこ、行く?……か、奏……」
うっわ、ぎこちねぇ……。かっこ悪ぃなぁチクショウ……。
なんて思ってる傍で、奏さんは可笑しそうに笑っている。
いや、楽しんでるって感じだ。俺の反応を見て遊んでる顔だわこれ。
推しのオモチャとして弄ばれる現状……おお神よ、感謝します。妄想がひとつ叶いました。
「なら、当然カラオケだね。今日は夕方まで歌い明かすぞ〜」
「カラオケか……。なら、よく翔たちと行ってる所だな」
「へ〜、なら、案内してもらおうかな」
「この辺からすぐで……すぐだぞ。そこの角を曲がったとこ」
よかった〜、知ってる場所で何とかなりそうだ。
推しとのカラオケデートか……くぅ〜、ドルオタ冥利に尽きるぜ……。推しの生歌聴き放題だぜ!
って、推しの生歌?
NA☆MA☆U☆TA!?
え?マジで?奏さんの歌声、独占できるの?
は??????俺、明日死ぬの?????
いや死ねるかあああああッ!!
「どうした紅介、またボーっとしてるぞ?」
「い、いやぁ、別にぃ、何でもなぁい!」
「そうか?ならいいけど」
めっちゃ声上ずった。今日の俺キョドり過ぎだろ……。
このままじゃ、奏さんの誕生日を祝うどころじゃねぇ!耐えろ俺!!
やってみせろよ紅介ぇ!緊張とかそんなもん、何とでもなるはずだ!
男見せたれぇぇぇぇぇ!!
この後、紅介と奏さんのカラオケデートがどうなったかは、ご想像にお任せする。
なおパーティーの後、彼が椅子に腰掛けたまま真っ白に燃え尽きていた事だけは、ここに記録しておく。
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