紅介「推しとデートなう」(天羽奏バースデー2021)
[2/3]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ばないファンはまず居ないだろ。
でもなぁ!!それはそれとしてなぁ!!
気を遣うことが多過ぎる!!
翔から『似合わないスーツに蝶ネクタイ、なんて昭和のお約束みたいな服装にはなるなよ?』って釘刺されたから、取り敢えず俺は手持ちの中で一番無難な服を選び、髪を整え、財布の中身を確認し、柄にもなく精一杯オシャレした上で家を出た。
あと念の為、腕にシルバー巻いといた。
つか、相手が奏さんって事を抜きにしても、デートなんて初めてなんだよなぁ……。
ハッ!って事は俺、推しに初デートを奪われた……ってことになるのか!?
やっっっっべぇ、その事実だけで昇天するわ……。ここが家だったら五体投地してる。
「紅介?おーい、紅介?」
「へ?あっ、はい!なんスか奏さん!?」
「信号青だぞ」
「あ……すみません。ちょっと、考え事してて……」
我に返った俺は、俺は先に歩き出していた奏さんの隣へと並ぶ。
「緊張してるのか?」
「ま、まぁ……デートとかした事なかったですし……」
「……ふ〜ん。って事は、紅介の初デートはあたしが貰ったってわけか。いや〜、なんか悪いねぇ」
「うぇっ!?いやっ、悪いだなんてそんな!!光栄ッスよ!!むしろ俺の方が申し訳ないくらいで……」
「アハハ、冗談だよ。あたしも初めてなんだ。お互い気楽に行こうや」
「……へ?」
思わず間抜けな声を出してしまい、奏さんは不思議そうな顔でこちらを覗き込む。
「奏さん……初デートなんスか?」
「まあ、翼とは何度か行ってるけどね。男と行くのは多分、今日が初めてかな」
「…………じか……」
「ん?」
「マジかぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
天を仰ぎ、絶叫する。
いや、推しに俺の初デート捧げられる分にはまだいいんだよ。光栄な事だし、名誉だと思う。
でも逆はこう……なんかこう……フクザツッ!!
推しの初デート相手になれる、だなんてそんなベタな恋愛漫画でもないと体験出来ないようなシチュ!憧れないわけじゃない。むしろ憧れないわけが無いッ!一生モノの名誉だ!自慢は出来ないけど、ファンとして誇っていいハズだ!!
だがしかし、こうも思う……。俺如き一ファン、一限界オタクに過ぎない立場の男が初デートの相手だなんて、それはあまりにも不釣り合いなのではないだろうか?
俺なんかよりも、もっと良い男がいるんじゃないか?
俺は女の子が好きそうなオシャレな店なんか知らないし、デートスポットなんて余計に検討がつかない。
実際にデートする事になって初めて痛感させられた、自分自身の至らなさ。かっこいい男になるために何が出来るか考えて、結局体力しか磨いてなかったからなー……。
デートなぁ……どうすりゃいいんだろ……。
「なぁ紅介、やっぱ
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ