第十四話 反面教師その八
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「だから女の子も」
「誰かを護る様にしないといけないですね」
「そしてご主人もね」
自分の子供だけでなくというのだ。
「護る」
「よく男の人に護られるっていいますけれど」
「女の人もよ」
「男の人を護るべきですね」
「腕力がなくても心でね」
それを以てというのだ、先輩は咲にこのことを穏やかではあるが芯の強いものを入れてそのうえで話した。
「それでよ」
「護るべきですね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「小山さんはお家のワンちゃんもね」
「護るべきですか」
「大きな子だと護ってくれても」
それでもというのだ。
「小山さんが護ることもね」
「大きな子でもですね」
「必要よ」
「お互いに護ることですか」
「そのワンちゃんも小山さん護ってくれてるでしょ」
「小さくて」
「暴漢除けにはならなくてもね」
それでもというのだ。
「何かと」
「何かあったらケージの中でも鳴きますね」
「それは警戒してね」
「それで、ですね」
「吠えて知らせてくれるだけでも」
それだけでもというのだ。
「違うでしょ」
「はい、気付いて気をつけられますし」
「それだけでね」
「大きいですね」
「そうよ、それで小山さんもそのワンちゃんをね」
咲に再びこのことを話した。
「大事にしてあげて」
「護ることですね」
「護るにはまず護ろうと思うことよ」
まず思うことだというのだ。
「そんな気持ちないと出来ないでしょ」
「ですね、そう思うからこそ動きますから」
咲もそれはと答えた。
「ですから」
「そうね、だからね」
「それで、ですね」
「まず思うこと」
「それが大事ですね」
「そこから全てはじまるから、そして誰も何も護ろうとしないで」
先輩はこうしたことも話した。
「自分だけ、自分しかなくて自分しか護ろうとしない人は」
「誰もですね」
「護れないわ」
そうだというのだ。
「決してね」
「そうしたものですね」
「そんな自分勝手な人は誰からも見捨てられるから」
護られることなくというのだ。
「それでね」
「自分だけで自分を護れるか」
「世の中そうはいかないから」
「そうした人はですね」
「破滅するわ、平気で誰かを裏切る人は誰も助けないわ」
「自分も裏切られるからですね」
「そんな人誰も救わないから」
だからだというのだ。
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