第三百六十七話
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第三百六十七話 カマンベールは
赤音はカマンベールチーズを食べるとワインを飲みながらそのチーズも楽しんでいる姉に対して言った。
「こっちのチーズは私もね」
「好きでしょ」
「普通のチーズもいいけれど」
「このチーズもいいわね」
「独特の味で」
それでというのだ。
「好きよ」
「そうよね」
「匂いもそんなにしないし」
「その匂いがどうかなのね」
「だってさっきのチーズ臭いから」
ブルーチーズはというのだ。
「だからよ」
「あんた食べないのね」
「そう」
絶対にというのだ。
「ずっと言ってる通りにね」
「納豆は食べるのにね」
同じ匂いのするものはとだ、葵は述べた。
「チーズは駄目なのね」
「納豆も匂いするけれど」
それでもとだ、妹は姉に返した。
「美味しいから」
「いいのね」
「そう、幼稚園の頃あの匂いが駄目だったけれど」
このことは事実である。
「けれどね」
「食べると美味しいでしょ」
「案外あっさりしていてね」
「ご飯にも合うでしょ」
「よくね、だから好きだけれど」
「それと一緒よ」
葵は赤ワインを飲みつつ言葉を返した。
「要するにね」
「匂いがしてもなの」
「そう、それでもね」
「美味しいのね」
「そうなのよ」
今も妹にこう言った。
「それでこのワインにも合うしね」
「だから私飲まないし」
赤音の返事は変わらなかった。
「お酒とか」
「だからなのね」
「そう、わからないわよ」
こう姉に言った、そうしてだった。
赤音はまたカマンベールチーズを飲んだ、見れば飲んでいるのは今もミルクティーだった。チーズとそれを一緒に楽しんでいた。
第三百六十七話 完
201・5・13
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