第十二幕その十一
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猫や犬達、つぎはぎ娘の次はでした。
大尉とポリクロームが踊りました。ドロシーはその踊りも見て言いました。
「大尉とポリクロームの踊りも素敵ね」
「そうね」
オズマはドロシーと一緒にマリネ、鱒のそれを食べつつ頷きました。
「これもまた」
「観られてよかったわ」
「幸せね」
「ええ」
ドロシーはマリネを観ながら答えました。
「観られて」
「そうよね」
「幸せって思えることはね」
「それだけで素晴らしいことよ」
「その通りね」
「それじゃあね」
「さらに観ましょう」
こう言うのでした、そうしてでした。
ドロシーはオズマに今度は鮭のカルパッチョを勧めて二人で一緒に食べながらこんなことを言いました。
「この食べものもね」
「素敵な味よね」
「お魚もね」
「オズの国では最初はこんなにお魚食べなかったわ」
「そうだったわね」
かつてのオズの国を思い出しながらお話しました。
「私達が出会った頃のオズの国は」
「暫くはね」
「海老もね」
「今みたいにだったわね」
「海老ですけれど」
将軍が言ってきました。
「私はずっと馴染みがなかったです」
「将軍はそうだったの」
「海老にはなの」
「はい、オズの国では長い間海や川のものはあまり食べなかったので」
それでというのです。
「ですから」
「将軍もなの」
「そうだったのね」
「はい、ですが今はよく食べまして」
海老の握り寿司を食べつつ二人にお話しました。
「このお寿司の海老も大好きです」
「そうなのね」
「今ではそうなったのね」
「お寿司も食べる様になりましたし」
今ではというのです。
「私も変わりました」
「この前オマール海老を二人で食べたんですよ」
ご主人が笑顔で言ってきました。
「ブイヤベースに入れまして」
「それも美味しいわよね」
「オマール海老入りのブイヤベースもね」
「私も好きよ」
「私もよ」
「私も随分変わったと」
将軍はご主人にも海老のお寿司を差し出しつつ言いました。
「思います」
「今じゃすっかり奥さんですね」
「そしてお母さんですよね」
「将軍もそうですね」
「そうなりましたね」
「すっかりね」
将軍はカルロス達五人に笑顔で答えました。
「そうなったわ」
「もう反乱軍を率いていた頃とは違って」
「軍服も着ておられなくて」
「果樹園で働いておられて」
「ご主人といつも一緒で」
「人は変わるものですね」
「そうよ、変わらないものはこの世にはなくて」
将軍はこうも言いました。
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