第一章
[2]次話
冷酷な飼い主共の素敵な末路
アメリカノースカロライナ州の動物虐待防止協会でのことだ。
協会のスタッフの一人アンナ=トルストヤ金髪を長く伸ばし後ろで団子にした青い目と白い肌を持つ小柄な彼女は今怒っていた、そして。
同僚にこう言った。
「あの」
「うん、折角だね」
「施設を脱走したことは悪いです」
「それはね」
「ですが猫ですよ」
茶色で下は白の長い毛の雄猫を見つつ言った。
「猫が十九キロも歩いて」
「飼い主を慕ってね」
「それで家に戻って来たのに」
「その猫を安楽死させるとかね」
「新しい飼い主を見付けないで」
「最低ですね」
「ダマヤオさんだったね」
スタッフはその飼い主の名前を出した。
「近所でも評判悪い人みたいだね」
「そうですか」
「他人を利用することしか考えなくて弱いものいじめが大好きで平気で人を裏切る」
「最低な人ですね」
「そんな人だからね」
「猫もですね」
「捨てたんだよ、だから」
「こちらもですね」
「トビーを引き取ったんだ」
猫の名前を見て言った。
「そうしたんだ」
「そうですね」
「ああ、だからな」
「この子については」
「あらためて飼い主を探そう」
「こちらで」
「あんな人を慕うことはないよ」
元の飼い主をというのだ。
「一切ね」
「全くですね」
こうした話をしてだった。
協会でトビーの話を個人情報を隠したうえで知らせてそのうえで里親を募集した、するとすぐにミシェル=サファイアという長いブロンドの女性が来てだった。
トビーの家族になった、そして後日。
「ニャン」
「ニャオン」
「ミャウン」
トビーは白猫そしてグレーの猫と遊んでいた、見れば。
白猫は雌でグレーの猫は雄だった。ミシェルは自宅にトビーの様子を見に来たアンナに対して話した。
「白い子はフラワー、グレーの子はリックっていうの」
「先住猫の子達ですね」
「この子達ともね」
「仲良くですね」
「こうして一緒にね」
「暮らしていますか」
「とてもいい子ね、こんな子だから」
ミシェルはさらに話した。
「家族を慕ってですね」
「長い道のりも歩いたんです」
「そうね、そんな子に死ねとか」
「酷い飼い主ですよね」
「本当にね」
「ただその飼い主実はインターネットで障害者の人への虐待動画を投稿しまして」
アンナは話した。
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