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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第90話:目まぐるしいイレギュラー
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リンを睨んだ。

「君が行ったんじゃ、ただ彼女達を連れ戻すだけで終わっちゃうじゃないか。それじゃあ面白くない」

 グレムリンに続きウェル博士も動いた。

「その通り。それにどうせ傾いた天秤を元に戻すなら、出来るだけドラマティックに、出来るだけロマンティックに行きましょう!!」

 そう言ってウェル博士は操縦席の端末を操作した。それが意味するところに察しがついたマリアが声を上げる。

「まさか、アレを――――!?」




 それは突然の事であった。切歌と調の確保が出来、後はノイズとメイジの殲滅だけだと思っていた矢先、それはやってきた。

「Rei shen shou jing rei zizzl」

 突如として戦場に聞こえてきた唄に全員がそちらを見ると、そこには颯人達が見知った人物が見知らぬ恰好で佇んでいた。

 紫と白のボディースーツに紫色の装甲。顔の上下を挟むように取り付けられたバイザー。颯人達も見た事の無いものだが、それは確かにシンフォギアだった。

 そこには、見た事も無いシンフォギアを纏う少女――小日向 未来が居た。

「んっんっんっ…………チッチッチッ……」

 まさかの未来の登場に、颯人は何度か小さく舌を鳴らした。仮面に隠れている為、今彼がどんな顔をしているのかは分からない。が、決して愉快な顔をしていない事だけは確かだった。




 未来がシンフォギアを纏い戦場に立ったことに対し、フィーネ側で最も大きな反応を見せたのは意外にもソーサラーだった。
 彼は自分を引き留めているグレムリンの肩を掴むと、これはどう言う事だと言わんばかりに未来の方を見てからグレムリンを睨んだ。どうやら元々組織に無関係だった未来を巻き込んだことが許せないらしい。

 結果的にだが、その疑問への答えを引き出したのはナスターシャ教授だった。

「神獣鏡をギアとして、人の身に纏わせたのですね」

 病状の悪化もあって、本来であればベッドで寝ていなければならないナスターシャ教授が操縦席に姿を現した事にソーサラーはグレムリンから離れた。

「マム!? まだ寝てなきゃ――」
「あれは、封印解除に不可欠なれど、人の心を惑わすもの……貴方の差し金ですね?」

 マリアとソーサラーの心配を他所に、ナスターシャ教授はウェル博士を睨み付ける。釣られてソーサラーがウェル博士を見ると、彼は鼻を鳴らした。

「ふん。使い時に使ったまでの事ですよ」

 端的に言えば、ウェル博士は未来を言いくるめて神獣鏡を使って作り上げたシンフォギアを未来に纏わせたのだ。勿論、彼らの言う事を聞く様に“処置”した上で。

「マリアが連れてきたあの娘は、融合症例第一号の級友らしいじゃないですか」
「リディアンに通う生徒
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