暁～小説投稿ｻｲﾄ～:魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～第90話：目まぐるしいイレギュラー

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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード　～歌と魔法が起こす奇跡～

G編
第90話：目まぐるしいイレギュラー
[3/7]

ィー、スィー、スィー、スィー！〉
「そしてぇ！」
〈リキッド、プリーズ〉

　颯人が魔法を使用すると同時に、接近した切歌が彼に向けてアームドギアを振るう。
　しかしその刃は、液状化した彼の身体を通り過ぎるだけに終わった。

「えぇっ！？」

　どれ程切れ味の鋭い刃だろうと、相手が液体では意味がない。液体を相手に『斬る』と言う行為自体が無意味だからだ。
　それでも切歌は諦めずに何度も刃を振るうが、その全てが颯人の体を通り過ぎ切歌の体力だけが無駄に消耗された。

「はぁ、はぁ……」
「ほいっと」

　疲れで切歌の動きが鈍ったところで、颯人がウィザーソードガンの銃口を向け引き金を引く。放たれた銃弾が切歌のシンフォギアの装甲部分に命中し、彼女を甲板の上に押し倒す。

「うあぁっ！？　ひ、卑怯デスよそんなの！？」
「いや君らだって一般兵相手にノイズでマウント取ってるんだから、今更文句言われてもなぁ」
「うぐ……」

　痛い所を突かれて言葉に詰まる切歌。颯人はそのまま切歌に銃口を向けたまま近付き、彼女を拘束しようとした。

「切ちゃん――！？」
「おい！　ウェルの野郎はここに居ないのか！？」
「え？」

　切歌が今にも颯人に掴まりそうになっている頃、調はクリスにより詰問を受けていた。

「ソロモンの杖を使うアイツは何処に居やがるッ！！」
「あぐっ！？」

　激情に身を任せ、調の首を絞め上げるクリス。翼が見兼ねて彼女を宥め、調を解放させた。

「やり過ぎだ雪音！」
「～～～～！　でもよ！」
「分かっている！　でも今は、この場をどうにかするのが先決だ！」

　気持ちが逸るが故に納得できない様子のクリスだったが、翼の毅然とした姿と強い言葉に渋々だが納得して調を解放した。と言っても締め上げるのを止めただけで、アームドギアの銃口は未だ突き付けられたままである。

〈スラッシュストライク！　スィースィースィー！〉
「うあぁっ！？」

　一方で、颯人と切歌の方も決着が着いたようだった。あの後も何とか抵抗を続けた切歌だったが、颯人の放ったスラッシュストライクが決め手となり甲板上に大の字で倒れる。

　その様子をマリアがエアキャリア内から見ていた。

「切歌――！？」

　状況は彼女達に不利と言わざるを得ない。魔法使いが2人に装者が3人。数の上で負けている。頼みの綱のノイズやメイジも役に立っていない。

　これ以上はまずいと、ソーサラーが彼女達に助力しようと動いたがグレムリンがそれを引き留めた。

「待った。君はここに居て」
「え、何を？」

　ここでソーサラーが向かってくれれば、最悪でも切歌と調の回収はやってくれる。それなのに何故彼を引き留めるのかとマリアがグレム

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