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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第90話:目まぐるしいイレギュラー
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背後に迫ったノイズが調に襲い掛かろうとした。
 瞬間、そのノイズが切歌によって切り裂かれた。

「切ちゃん……ありが――」

 助けてくれた事に感謝しようとしたその時、調は首筋に何かを押し付けられた。何だと思う間もなく何かが首から体に流し込まれるのを感じる。

「え、何を――」

 流し込まれた赤い液体……『Anti LiNKER』は奏が使うLiNLERとは真逆の性質を持つ。即ち、適合者の適合係数を強制的に引き下げるのだ。
 ただでさえギアの使用にLiNKERを必要とする調にとっては天敵とも言える薬品であった。

「ギアが……馴染まない?」

 瞬く間に解除されるシュルシャガナに困惑する調を前に、切歌が口を開いた。

「アタシ……アタシじゃなくなってしまうかもしれないデス――!」

 切歌の突然の行動と言葉は調に理解出来るものではなかったが、Anti LiNKERの影響とギアの強制解除は調の体に負担を掛けたのか彼女の行動を制限した。

「そうなる前に、何かを残さなきゃ……調に忘れられちゃうデス――!?」

 何処か切羽詰まったような、後がないと言いたげな切歌は調に手を差し出した。調は差し出された手を前に、困惑して首を傾げる。

「切ちゃん?」
「例えアタシが消えたとしても……世界が残れば、調とアタシの思い出は残るデス。だからアタシは、ドクターのやり方で世界を守るデス。もう、そうするしか――――」

 切歌がそこまで行ったところで、彼女らから少し離れた所に魔法陣が出現し光と共に颯人達が転移した。
 彼は甲板上に転移が成功したのを見ると、素早く周囲を見渡し状況を察するとウィザードに変身した。

〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉
「よいしょっとぉ!」

 変身するなり颯人は切歌へと攻撃を開始。ウィザーソードガンで彼女に斬りかかった。

「邪魔するなデス!?」

 颯人が切歌に攻撃すると同時に、他の者達もそれぞれ行動を開始した。奏と透は別個に分かれてノイズやメイジへの攻撃。満足に動けない調をクリスと翼が確保し、颯人はそのまま切歌との戦闘を続行した。

 切歌のイガリマの刃が颯人に振るわれるが、颯人はそれをアクロバットな動きで回避。その最中にガンモードにしたウィザーソードガンで未だ周囲に居る邪魔してきそうなノイズやメイジを次々撃ち抜いた。
 着地したと同時に切歌に目を向けると、彼女は追撃を放とうと颯人に飛び掛かってきていた。そこに颯人の銃撃が襲い掛かる。

「くぅっ!!」

 放たれた銃弾を切歌はアームドギアの鎌を回転させる事で防ぎ、そのまま颯人に攻撃しようとした。だが切歌が銃弾に対処している間に颯人は切歌への対策を済ませていた。

〈ウォーター、プリーズ。ス
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