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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第90話:目まぐるしいイレギュラー
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先日のスカイタワーでの作戦で失敗したからか、米軍はフィーネ討伐の為に艦隊を派遣した。
その艦隊に、ソロモンの杖により放たれたノイズ、そしてメデューサの指示により攻撃を開始したメイジ達が襲い掛かる。
今までに無い程の人数のメイジがノイズと共に武装した海兵や操艦の為の乗組員に襲い掛かり、ノイズにより炭化されるかメイジにより無残に殺され屍を増やしていく。
勿論米兵も必死に応戦するが、通常兵器が効かないノイズに当たりはするが攻撃を物ともしない上に自己の判断で的確に行動してくるメイジにはまるで歯が立たない。
まさに虐殺、大惨事とも言える光景が米国艦艇各艦の上で繰り広げられていた。
その光景を上空のエアキャリアから見て、マリアは思わず下唇を噛み締める。その傍にはソーサラーも控えており、感情を必死に押し殺しているマリアに心配そうな目を向けていた。
「こんな事が……マリアの望んでいる事なの? 弱い人達を守る為に、本当に必要な事なの?」
見兼ねた調の問い掛けに、しかしマリアは答えなかった。
何も言わないマリアを見て、辛抱堪らなくなったように調は踵を返して扉を開ける。それを見て切歌が慌てて声を掛けて引き留めた。
「調! 何やってるデスか!?」
「マリアが苦しんでいるのなら、私が助けてあげるんだ」
そう言って調は扉を開け、外へと飛び出し重力に身を任せた。
「調ッ!?」
切歌の叫び声を置き去りに、調は聖詠を口にした。
「Various shul shagana tron」
調はその身に黒と桃色のシンフォギア『シュルシャガナ』を纏い、落下しながら頭部のギアから無数の丸鋸を甲板上のノイズやメイジに向けて雨霰と降り注がせた。
[α式 百輪廻]
調が放った丸鋸はノイズを次々と切り裂き、メイジすら足止めしてみせた。メイジ達からすれば味方と言われていた調にいきなり奇襲を受けて浮足立った事だろう。
甲板上に着地した調は足裏の歯車を使い、スケートの様に駆け抜けながら頭部のギアを展開し巨大な丸鋸を出すと自身を中心に回転し更に多くのノイズとメイジを攻撃した。
この時点でメイジ達は調が敵に回ったと判断し、彼女へも攻撃を開始。メイジの1人がシュルシャガナの武器が全て頭部のギアに集中していると見るや、転がるように下から調の懐に潜り込みスクラッチネイルで切り裂こうとした。
「くっ!?」
接近された事に調は焦りの表情を浮かべ、急ぎ距離を取って接近してきたメイジから離れる。
それが逆に彼女に隙を生んだ。目の前の脅威にのみ意識が向いていた為に、背後から迫るノイズの生き残りに対する注意が散漫になってしまったのだ。
「あ――――!?」
しまったと思った時にはもう遅く、
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