トレギア
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「見返り……?」
「そう。君が何よりも望んでいるものを、君に与えよう」
トレギアの指が、紗夜の目の前で目を指差す。
「君の望みは何だい? 生き残りたいかい? 永遠の命が欲しいかい? それとも……」
トレギアの両手が、紗夜の顎を掴む。力を入れていないその手を、なぜか紗夜は振り切ることが出来なかった。
「君の妹を……」
「!」
一瞬、紗夜の顔が強張った。
それを見たトレギアは、愉快そうに肩を揺らす。
「どうしたんだい? 妹と言っただけなのに、どうしてそんなに怖い顔をしたのかな?」
「私は……っ!」
「君の願いを叶える。その手段を、君に与えよう。さあ、これを……」
「紗夜ちゃん!」
突如の叫び声に、トレギアは動きを止めた。
紗夜も振り返れば、響と友奈が走ってきているところだった。
「やっと見つけた……ええッ!?」
「探したよ……え、あれって、サーヴァント!?」
二人は、仮面のサーヴァントの姿を見て警戒を強める。
「紗夜ちゃん! その人から離れて!」
友奈は叫びながら、紗夜とトレギアの間に飛び込む。さらに、そのまま倒れそうになった紗夜を、響が受け止めた。
「紗夜ちゃん、大丈夫?」
「立花さん……?」
紗夜は頭を抑えながら、受け止めた響の顔を見上げる。響はそのままトレギアから離れた。
トレギアは笑いながら、二人の乱入者を見つめて両手を広げた。
「おいおい……人が折角打たれ弱った少女をナンパしているのに、邪魔しないでくれよ」
「え? い、今のナンパだったの? それはごめんなさい」
「いや、どう見ても今のはナンパの動きじゃないよねッ!?」
響が紗夜を守るように立つ。
「えっと、あなた、サーヴァント? ……サーヴァントだよね?」
響が確認する。するとトレギアはクク、と肩を揺らした。
「初めまして。セイヴァー、そしてランサーのサーヴァント。私はフェイカーのサーヴァント」
トレギアはニタリといった音が似合うように、首を震わせる。
「もう名前も名乗ったし、君たちにも自己紹介しようか……私の名はトレギア」
「トレギア……?」
「狂おしい好奇心……という意味さ」
友奈の警戒に、トレギアはそう応じた。
トレギアから解放された。
安心感からか、紗夜は体からぐったりと力が抜けるのを感じた。
響に抱えられ、彼女の顔とトレギアを交互に見やる。
「紗夜ちゃんに、何をしたのッ!?」
響が怒鳴る。
「ハハハハハ! 別に何もしてはいないさ。少しだけ、話を聞いてもらっただけだよ」
「話?」
「フェイカーって……」
だが、友奈がトレギアへ警戒の目を向けている。
「確か、ハ
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