138 唯一の友達
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をボコボコにできるんよ」
鯉沢は持っている銃を見せびらかした。
「銃?俺達と会った時は道具持ってないって言ってたが、その後に貰ったのか?」
「ああ、異世界の敵が『護符はどこだ』とかぬかしとるけん、その時、元就とかゆう奴からもろうたんや。こいつでボコボコにした。そういや、随分と澄んだ感触がするけんのう。この二人のガキとこの姉ちゃんから・・・」
鯉沢はかよ子とりえ、そしてさりを見た。
「わ、私・・・!?」
かよ子は鯉沢に睨まれて怖くなった。相手がスケバンだからだというのもあるが。
「よくわかるな。実はその二人の子はそれぞれ異世界の杖と杯を持っている。そしてその敵が探していた護符の持ち主が、この俺の従姉なんだよ」
「へえ、われの従姉か?」
鯉沢はさりを睨んだ。
「よ、宜しくね」
さりは年下相手とはいえ、やはりスケバンだからか少し震えて挨拶した。
「お兄ちゃん、この人は一体?」
かよ子は三河口に聞いた。
「ああ、広島の高校に通う女子高生だよ。修学旅行の時に会ったんだ」
「このガキ、知り合いけん?」
「ああ、隣の家に住んでいるんだ。かよちゃん、この人はかよちゃんの杖にりえちゃんの杯、さりちゃんの護符で強い感触を持っているから俺よりも強い見聞の能力があるようだ。それに初めて会った時も俺が普通の凡人と違う事にすぐ気づいたしな」
「そうなんだ」
「それに、彼女は夏に非常に不気味な感触を覚えたと言っていた。杖と同等の能力があると言われる異世界の剣が奪われたのを感知したんだろうな」
「異世界の剣・・・!?あの赤軍の女の人が使ってた・・・!?」
かよ子達はクリスマス・イブの日にさりの護符を守る為に名古屋で戦った際に重信房子という赤軍の長と遭遇した事がある。その人物が使っていた剣が広島で奪われていた事をこの見聞の能力を持つこのスケバン女子高生が感じるのもおかしくないとかよ子は思った。
友蔵は土下座しながら通行を二人の少女に乞い続ける。
「頼む、通しておくれ〜。この老いぼれジジイの我儘をどうか聞いとくれ〜」
「幾ら頼まれても規則は変えられません。申し訳ございませんがお引き取り下さい」
「そ、そんな事できん!孫が、孫が心配なんじゃ!!」
その時、その場に一人の男性が現れた。
「アンネ、ハンナ、もう手紙を渡した人は皆来ただろう。君達ももう行っていいよ」
「はい、イマヌエル様。でも、この人がどうしても帰ってくれないのです」
「この人?」
イマヌエルはそこで土下座している老人がいるのを確認する。
「手紙を持っていないのにお孫さんが心配だと言ってこの先に行きたいというのです」
「私達が帰るよう頼んでも聞かないのです」
「そうか」
友蔵からしてイマヌエルは神のように見
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