第六十五話 心配していてその十四
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「ちゃんとね」
「そうですよね、やっぱり」
「人は誰でもね」
「前向きにならないと」
それこそです。
「駄目ですよ」
「ええ、よく言われるし」
「だから先輩もですね」
「確かに許されないことをしてしまったけれど」
それでもいうのです。
「反省してるつもりだから」
「かなり反省していると思います」
「そのうえでね」
「前向きに、ですね」
「生きていくわ」
「厳しいことを言うかも知れないですがやってしまったことは取り返しがつかないです」
勿論先輩がされたこともです。
「時間は戻らないですから」
「それでもなのね」
「そのことを踏まえて」
そのうえで、です。
「前に進んでいくべきですよ」
「それが人としての在り方なのね」
「私はそう思います」
お父さんとお母さんにそう言われました、それで私も思うのです。
「ですから」
「私もなのね」
「宜しくお願いします」
先輩に心から言いました。
「これから」
「そうね、じゃああらためてね」
「前を向いて歩いていきましょう」
「そうしていくわね」
「私は先輩と一年一緒にいたんですよ」
東寮の同じお部屋にです。
「先輩のいい部分も悪い部分もわかっているつもりです」
「悪い部分もなの」
「ちょっと生真面目過ぎるかなって思ってました」
実を言うとです。
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