第十四話 反面教師その六
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「夜に外歩くとか」
「絶対に駄目ですよね」
「お家の近所でもね」
「何処に誰がいるかわからないですね」
「そう、ご近所に変な人いるとかね」
そうしたことはというと。
「もうね」
「普通ですよね」
「そうよ、東京なんか特にね」
「人が多くて」
「その分変な人も多いわよ」
「人が多いとどうしてもですね」
「田舎でもそうしたお話あるのに」
おかしな輩は何処にもいるということだ、ただしどうしても人が多いとその分おかしな輩も多くなるのは事実である。
「東京は特によ」
「それで、ですね」
「よく注意しないとね」
「夜の外出についても」
「もっとも一番は一人でいない」
「身の安全の為には」
「そう、女の子が一人で外を歩くことは」
どうしてもとだ、先輩は咲に話した。
「やっぱりね」
「危険ですね」
「そうよ、だからそんな恰好をするよりもね」
「一人で出歩かないことですね」
「夜に外はね」
「じゃあお母さんと」
「そうしてね、犬を連れてたらいいけれど」
それならというのだ。
「犬がボディーガードになってくれてるから」
「トイプードルでもいいですか?」
咲は愛犬モコのことを思い出して笑って言った。
「タイニーかティーカップの大きめの女の子ですが」
「トイプードルって小さいわよね」
「この前体重測ったら二・五キロでした」
実際に測るとそれ位だった。
「小さいですね」
「それ位だとティーカッププードルね」
先輩は咲が話したその大きさを聞いて述べた。
「もうね」
「そうですか」
「あの、ここで言う子は柴犬位でね」
「柴犬も小さいですよ」
「小さいけれどトイプードルよりずっと大きいでしょ」
「はい、それは」
咲もはっきりと知っていることで確かな声で頷いて答えた。
「もう全然違います」
「そうよね」
「何倍も」
「しかも柴犬って元々狩猟犬でね」
その為に進化してきた犬だ、このことは秋田犬や甲斐犬と同じである。
「気も強いでしょ」
「よく吠えて向かってきますね」
「そんな子だから悪い奴でも一人ならね」
「向かって行ってですね」
「撃退出来るわよ」
身体は小さくともというのだ。
「それが出来るわ、けれどトイプードルはね」
「トイプードルも元々は狩猟犬ですけれど」
咲はこの時もモコのことを思い出しつつ答えた。
「スタンダードプードルから小さくなっていって」
「プードルは元々狩猟犬だったのね」
「そうなんですよ」
「私それは知らなかったわ、柴犬は知っていたけれど」
それでもというのだ。
「そうだったのね」
「元々水鳥を捕まえる為の犬で」
飼い主が撃ったそれを水の中に入って咥えて持って来ることを主な仕事にしていたのだ。
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