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イベリス
第十四話 反面教師その三

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「いいことよ、真面目っていうだけでね」
「いいですか」
「それだけでね、私なんてね」
 先輩はまた笑って言った。
「テスト前は勉強するけれど」
「それ以外は、ですか」
「漫画読んでゲームしてね」
 そうした遊びをしてというのだ。
「お金稼ぐのにアルバイトもして」
「それで、ですか」
「適当にね」 
 そうした感じでというのだ。
「暮らしているから」
「だからですか」
「真面目とはね」
 到底というのだ。
「言えないわ」
「そうですか」
「そう、だからね」
 咲はさらに話した。
「小山さん凄いと思うわ、ただね」
「ただ?」
「堅苦しいところはないわね」
 咲にはというのだ。
「本当にね」
「私そうしたのは好きじゃなくて」
 それでとだ、先輩は咲にこうも話した。
「それで堅苦しいことはです」
「しないの」
「はい」
 実際にというのだ。
「そうしたことはです」
「制服の着方は真面目でも」
 それでもというのだ。
「スカート短いしね」
「短か過ぎないですよね」
 スカートの話になるとだ、咲は先輩に小声で囁く様にして聞いた。それはどうにも不安といったものだった。
「私のスカートの丈」
「そんなものでしょ」
 先輩の返事はこうだった。
「私だってそれ位だし」
「いいですか」
「ぎりぎりの娘っているわよね」
「ライトノベルかアニメって位に」
「漫画とかでね」
「もうちょっとしたら見える」
「それ位の娘いるでしょ」
 先輩も述べた。
「本当に」
「うちの学校でもいますね」
「ええ、あれ位でないとね」
「いいですか」
「下着は見せるのはまずいわよ」
 先輩は笑って言った。
「流石にね」
「その下にスパッツ穿いてても」
「それでもよ」
 それで下着は見えないがというのだ。
「それでもね」
「見せないことですね」
「やっぱりね」
 何といってもというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「それ位でないとね」
「いいですか」
「丈それ位でいいわよ」
 スカートのそれはというのだ。
「小山さんもね」
「それなら」
「ええ、ただスパッツはね」
 咲が今言ったこのことはというと。
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