第三百六十六話
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第三百六十六話 ワインを飲みながら
葵はワインをコップ、自分の白い陶器の普段は牛乳を飲む時に使っている大きなそれにワインを入れた。
そうしてブルーチーズを食べて赤ワインを飲んで笑顔で言った。
「いやあ、いいわ」
「何処が?」
赤音は笑顔で言う姉にジト目で言った。
「そんな臭いのが」
「だから匂いもよ」
「食欲そそるの」
「美味しいからね」
「そんな匂いでなの」
「あんた普通のチーズしか食べないわよね」
「チーズは好きだけれど」
それは事実でもというのだ。
「そんな臭いのはね」
「それは好みね、じゃあね」
葵は飲みつつ妹に言った。
「カマンベールチーズはどうかしら」
「あのチーズ?ちょっと柔らかい」
「そう、あのチーズはどう?」
「あのチーズはね」
それならとだ、赤音はチョコレートケーキをミルクティーと一緒に楽しみながら姉にすぐに答えた。
「いいわ」
「じゃあそっちもお父さんと貰ってるから」
それならとだ、姉はすぐにだった。
そのカマンベールチーズを出して赤音に言った。
「これもお父さんからのプレゼントよ」
「そうなの」
「こっちはあんたが食べなさい」
妹に笑顔で答えた。
「お姉ちゃんはブルーチーズ食べてるから」
「だから私ケーキがあるから」
「お姉ちゃんもあるし」
見れば姉の前にはケーキもある、今出したところだ。
「だからよ」
「私はカマンベールチーズなの」
「食べなさい」
「じゃあ半分ね」
「半分でいいの」
「私ケーキ食べてるからもうそんなに食べられないから」
それでというのだ。
「だからね」
「そうなの。じゃあ私もブルーチーズあんたに半分ね」
「だからいいって言ってるでしょ」
赤音は今度は怒って拒否した。
「臭いから」
「折角なのに」
「折角でもいいの」
こう言ってあくまでブルーチーズは食べなかった、だがそれでもカマンベールチーズは姉と半分ずつ食べることにした。
第三百六十六話 完
2021・5・6
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