第十二幕その五
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「そうなってるよ」
「成程ね」
「だからこのままね」
「赤ちゃんを育てていけば」
「もっと奇麗になるよ」
「そうなのね」
「子育ても自分を磨くということね」
オズマはここでこう言いました。
「要するに」
「人は心を磨くと心が奇麗になるわね」
ドロシーはオズマに応えました。
「確かに」
「そしてそれがお顔にも出るのよ」
「人相に」
「それで奇麗になるけれど」
「子育てもなのね」
「お仕事でも学問でもスポーツでもそうなるけれど」
それに加えてというのです。
「子育てでもね」
「そうなるのね」
「私達は子供だからわからないけれど」
「将軍は結婚して」
「赤ちゃんが出来たから」
そうなったからだというのです。
「それでなのよ」
「そちらからも自分を磨いていて」
「赤ちゃんも育っていくし」
「自分もそうなって」
「お互いに幸せになってね」
そしてというのです。
「奇麗になっていっているのよ」
「そういうことね」
「そうよ」
「子供にはわからないけれど」
それでもとです、ビリーナは二人にもお話しました。
「結婚してね」
「子供が出来たら」
「その時にわかるのね」
「ヘンリーさんとエマさんはわかってるわね」
ドロシーの家族のお二人はというのです。
「子供はいないけれどね」
「それでもなの」
「だってあんたを育てたのよ」
そのドロシーに言いました。
「だからよ」
「あっ、私が叔父さんと叔母さんの娘ね」
「そうなるから」
「叔父さんと叔母さんもなのね」
「親でね」
それでというのです。
「あんたを育ててよ」
「奇麗になったのね」
「お顔はお爺さんとお婆さんだけれど」
もうすっかり歳を取っているけれど、というのです。
「心はよ」
「そうね、二人共凄くいい人ね」
「そうなったのはね」
「私を育ててくれたから」
「このことも大きいわよ」
「そうなのね」
「私も親になってわかったわ」
その時にというのです、ビリーナも。
「その時からね」
「成程ね、私にはわからないことね」
「あんた達は永遠の子供だからね」
「そうね、それは仕方ないわね」
「だったら他のことで磨けばいいわね」
こう言ってきたのは王女でした。
「親になること以外で」
「そうね」
「他にも心を磨く方法は沢山あるわ」
ドロシーだけでなくオズマも王女の言葉に頷きました。
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