五十 共同戦線
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がて彼女は顎に指を添わせ、どこか遠いところを透かし見るように目を細めた。否、その目線はある方向を見つめている。
即ち、桃地再不斬を拘束している牢のほうを。
「…カカシ先生…!」
危機一髪の窮地を救われたシカマルとチョウジがカカシに駆け寄る。
だが明らかに再不斬を警戒するふたりに、カカシは苦笑した。
「大丈夫。少なくともコイツら『暁』を倒すまではね」
「…どういうことッスか?」
シカマルの問いに、カカシではなく再不斬が振り返らずに答えた。
「てめぇらの長との取引に応じただけさ」
「そういうこと」
再不斬に同意したカカシはシカマルに、こうなった経緯を簡潔に説明する。
霧隠れの里へ引き渡さない事を条件に、シカマル達の加勢及び『暁』の角都と飛段の撃退を、五代目火影直々に依頼したこと。
角都・飛段と互角に渡り合った再不斬は失うには惜しい人材だ。それに、人柱力であるナルを守るのに人手は多いことに越したことはない。
もっとも抜け忍である再不斬がいつ『暁』のほうへ寝返るか、或いは依頼内容を放棄して逃げてしまうかわからない。
よって、五代目火影は、再不斬が木ノ葉を途中で裏切らぬように、枷をつけたのだ。
「枷?」
怪訝な顔のシカマルを、カカシは目線で促した。カカシの視線を追ったシカマルは、再不斬の首元に見覚えのない奇妙なチョーカーを目にして、眉を顰める。
聡明なその頭脳はすぐさまソレが何を意味するか察して、シカマルはハッ、とカカシを仰いだ。
シカマルの視線を受け、カカシは双眸を閉ざす。無言の肯定に、シカマルは「…よくあの鬼人がソレを承諾しましたね」と戸惑い気味に再不斬を見やった。
「俺も未だに半信半疑なんだけどね。もっとも、その代わりに首切り包丁の返却を求めたのは抜け目のない奴らしい」
鬼に金棒ならぬ、再不斬に首切り包丁。
本来ならば危険人物に危険物を返すなど考えられないが、流石に負い目を感じたのか、綱手も再不斬からの要求を呑まざるを得なかった。
何故なら桃地再不斬へつけた枷とは、云わば、時限式の爆弾。
つまり、木ノ葉の忍びに危害を加えるのであれば、交渉決裂。
『暁』の角都&飛段と共に、自爆してもらう手筈になっている。
また『暁』と戦わず、逃げる可能性をも考え、火の国から遠く離れても自動的に作動する時限装置だ。
要するに起爆札のようなモノを常に再不斬は首元に巻かれている状態である。
その上、このチョーカーは五代目火影自らが施したモノ。封印術も施されている為、並大抵の忍びには外せない仕様になっている。
無理に外そうとすれば、即座にドカン、だ。
無事に外せるとすれば、術を施し
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