第12話 袁紹の初恋
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!」
「あっ!姫、危ない!くっ!」
野蛮な人達の1人が殴り掛かってきました。
私は殴られると思ったのですが、猪々子さんが私を庇ってくれたので殴られませんでしたわ。
「猪々子さん、だ、大丈夫ですのっ!しっかりなさい」
私は殴られた猪々子さんに駆け寄りました。
「いっ、痛っ!・・・あ、姫ー。大丈夫でした・・・か?」
「猪々子さん、大丈夫ですの?」
私は心配になって尋ねました。
「まあ、大丈夫かな・・・。足をちょっと挫いちまったかな」
猪々子さんは少し苦痛な顔で私を見ていましたわ。
許せませんわ!
「あなたなんてことをするんですの。私が誰か知って」
私が言い終わる前に、野蛮な人達は怒鳴ってきました。
「テメエが誰かなんか知るか!」
「痛い目に会わせてやるぜ!」
な、何て野蛮な人達なのかしら、それより私は、袁家の者なんですのよ!
私は周囲を見渡すと、誰も私と目を合わせようとしませんわ。
店主に至っては、何ですのあの態度はっ!
だ、誰もなんで私を助けませんのっ!
私は、こ、怖くなんてありませんわ、本当ですのよっ!
「正宗、さっさとあの暴漢を追い出して参れ」
お爺々様は一度、箸を休め、私にそのことを告げると、直ぐに、食事を再開しました。
「お爺々様、私は父上、母上に危険なことを禁止されておりますので、無理です」
袁紹に関わりたくない私は、お爺々様に小声で言いました。
「お前は儂に、暴漢の相手をしろというのかの?この老体には無理じゃ、それに儂は、昔から荒事は苦手じゃ。それとも正宗、困っているか弱き淑女を見捨てるのか?お前の父と母もこの程度、目を瞑ってくれるはずじゃ」
お爺々様は目を瞑り、嘆かわしいことじゃと言わんばかりの態度を取りました。
「お爺々様が『淑女』というのはどこにいるのでしょうか?私には暴漢に喧嘩に売っている愚か者にしか見えません。しばらくすれば騒ぎを聞きつけた警邏の兵が駆けつけると思います。わざわざ私が出しゃばらなくても良いかと思います」
私は、お爺々様に食い下がりました。
「警邏の兵が来る前に、あの少女達が大怪我をしたらどうするのじゃ。お前はそれでも無視を決め込むつもりなのかの。昔、お前は言ったはずじゃ。弱き者を守りたいと。あの言葉は嘘じゃったのかの?」
お爺々様はそのことだけ告げると、また、食事を再開しました。
・・・・・・。
こう言われては私も何も言い返せません。
お爺々様も人が悪いです。
お爺々様は人助けの為に、私が武を振るうことには、賛成でした。
都督のジジに、私が軍属としての指導を受けれたのもお爺々様のお陰でした。
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