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彼等が帰った後、部長の誠一郎さんに言われた
「水島君が彼氏なんだろう 直ぐ、わかったよ 顔も紅くなっていたよ」
「はい まさか、来るなんて」
「ああ 突然だったからな なるほどと、思ったよ いい青年じゃぁないか そろそろ、彼との馴れ初めを聞かせてくれても、良いんじゃあない?」
「はい そのうち、機会がありましたら」
私は、モトシが越してきてから、週に2回は通って、ご飯を用意したりしている。郷子さんが、子供を産む前に、乗っていたという古い原付バイクを貸してもらっていた。それだと20分ほどで着く。土曜、日曜になると、彼は近くの海に潜りに行くから、そんな時は、ご飯を用意して、戻ってきて絵を描いて過ごした。天気が悪い時は、私は嬉しかった。彼も出掛け無いので、二人で過ごせるし、彼の腕の中に抱かれていられるからだ。
その日、私は、誠一郎さんのお宅に呼ばれていた。新しいお家で、開くんが産まれた後、建てたんだと言っていた。
「あのね お父さんが、あんまり、家にいないでしょ お母さんが、私達に一緒に住もうってうるさいのよ 孫が出来るとよけいに言ってくるでしょ だから、建てちゃったのよ こんな言い方、悪いけど、絢ちゃんが来てくれて、一安心よ 気がまぎれるでしょう」と、郷子さんが言っていた。
お昼ご飯なんだけど、誠一郎さんは、ビールを飲んでいた。そろそろ、この地方も、じめじめと湿気の多い時期になる。彼氏のこと、話してくれよと言われて、私は、小さい頃から人と話すのが苦手で、特に男の子は嫌いだったこと、だから絵ばっかり描いていたこと、モトシから一緒に勉強しようと言われて、初めて嬉しかったことから、今までのことを、全て、話した。誠一郎さんはきっと、モトシの力になってくれると、私の打算があったのかも知れないし、この人は信用できると思っていたのかも知れない。
「なんか、絢ちゃん、すごいね そこまで、男の人を好きになるのって、幸せよね でも、お家の人も、よく許してくれたわね 娘さん一人でしょーう 私、そこまで、この人のこと、追いかけられたかしら」
「おい 郷子 子供の前で、いまさら何言ってんだよ 逃げてても、僕が掴まえていたよ」
「あら ありがとう 私も、捕まっていたけどね 私達、高校の同級生なのよ」
「部長 お二人 仲いいんですね 私、見習います」
「絢ちゃん 会社、離れた時は、誠一郎でいいよ 僕も、絢ちゃんと呼ぶから」
「でも、絢ちゃんみたいに、可愛い人 いろいろ声を掛けられてきたでしょう?」
「そんなに、もてないんですよ でも、声掛けられても、私、水島基が好きなんですって、はっきり言って、お断りしてましたから」
「もう、素晴らしいわね あなた、うちの会社、独身の男の人居なくて良かった
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