第二章
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保護されたが。
「歩けなくなっていて」
「それでここに来る前の保護施設では安楽死の話もあったしね」
「野良でずっと彷徨って」
「そんな酷い状態だったからね」
「だからですね」
ウィンは先輩に言った。
「ベンベンも」
「悲しい顔をしているんだよ」
「この子もライアンみたいに幸せになって欲しいですが」
「どうなるかな」
先輩は不安だった、ベンベンはケースの中で悲しい顔をして歩けない状態でいるだけだった。だがその彼をSNSで観て。
動物病院で緊急医をしているアダム=コレッリとサンディの夫婦が名乗り出た。夫は長身で黒髪に黒い目で引き締まった身体と端正な顔をしていて妻は金髪をポニーテールにし黒い目ときりっとした細長い顔とモデルの様な身体を持っている。
二人は施設に来るとウィンに言った。
「ベンベンの治療をさせて下さい」
「私達は獣医なので脊椎と耳を治せます」
「顔の皮膚のことも」
「そして家族に迎えます」
「家族に迎えるので」
「治療費もいりません」
「お願いします、そして」
ウィンは申し出た夫婦にこう返した。
「この子を笑顔にして下さい」
「そうさせてもらいます」
「必ず」
夫婦は約束した、そしてだった。
夫婦はベンベンの治療を無償で行って傷も顔の皮膚もそして耳も脊椎も治した、こうして彼を歩ける様にして。
家族に迎えた、そうして状況を見に来たウィンにだった。
ベンベンと彼と共に遊ぶトラ猫を見せて話した。
「ノーマンといいまして」
「ベンベンを引き取ったすぐ後にこの子も家族に迎えました」
「この子も元野良で保護されていましたが」
「家族にしました」
「そうするとですね」
ウィンは楽しそうに遊ぶ二匹を見つつ夫婦に応えた。
「この通り仲良くなったんですね」
「はい、すぐに」
「そうなりました」
「ニャオン」
「ミャオン」
「二匹共楽しそうですね、あの悲しそうな顔をしていたベンベンが」
二匹特にベンベンを見つつ話した。
「あんなに楽しそうになって」
「凄くいい子ですよ」
「陽気でひょうきんで」
「いつも私達を笑顔にしてくれます」
「ノーマンと一緒に」
「貴方達が彼を笑顔にしてくれたので」
ウィンは笑顔で話す二人に話した。
「だからですよ」
「私達も笑顔にしてくれる」
「そうなんですね」
「はい、笑顔には笑顔です」
こうも言うのだった。
「そうなるかと」
「じゃあこれからもですね」
「ベンベンは笑顔でいてくれますね」
「そうだと思います」
ここでウィンはライアンのことを思い出した、今もメールの動画の中の彼女は笑顔だが彼女の家族がいつもその彼女と一緒に笑顔でいる。
そしてベンベンもだとわかった、そしてだった。
彼も笑顔になっ
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