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幻想甲虫録
青黒く青白い弟
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なんか買い物途中で現れたピンクのクワガタが―――――」

デストロイヤー「だからピンクじゃなくてマゼンタ」

妖・ソ・ヘ「「「!?」」」


またどこかで聞きつけたのか、ピンクに反応したデストロイヤーが妖夢の背後から声をかけた。
背中にはナマコを背負っている。


デストロイヤー「……おっと、説明は俺がしよう。このナマコは対泥棒クワガタ用の投擲具で、もしそいつが何か盗もうとしたらぶつければいい。その泥棒クワガタはシアンのグランディスだから見分けがつきやすいはずだ。というわけで、お前にもナマコをやろう」

ヘルクス「?」

デストロイヤー「あ、間違えても食うなよ?別に食ってもいいが対処できなくなるぞ。そんじゃあな」


さすがのヘルクスも理解できなかった。同時に疑問も頭の中でいっぱいになる。幻想郷に海はないはず。この世界で一体どうやって手に入れた?と。
ヘルクスが疑問を抱える中、デストロイヤーはどこかへ飛び去ってしまい、妖夢とソウトウはそれを見届けていた。


ヘルクス「変な虫だな………だが奴もゲイツみたく強者の雰囲気が漂っていたな」

妖夢「変な虫ですよね………」

ソウトウ「ところであの虫は氷を食しているのか?」

ヘルクス「ん?」


近くでガリガリと聞こえる何かをかじるような音。ヘルクスたちが音のする方へ目を向けると、氷が入った袋を持った甲虫だった。
その甲虫はソンブレロを被り、見ているだけで寒そうな真っ青なポンチョを身にまとった全身水色のコーカサスオオカブト。袋から氷を取り出してはガリガリとかじっている。
音の正体はこの水色のコーカサスオオカブトだった。


妖夢「ザミーゴさんまで人里に来てたんですね」


ザミーゴという名を持つコーカサスオオカブトに気づいた店主が彼に話しかけた。


団子屋店主「おいあんた、いっつも氷そのまま食ってるみたいだがかき氷にして食わねぇのか?」

ザミーゴ「ん?ああ気にすんな。このままでも食えるから……って、かき氷?」

団子屋店主「ちょっと待ってろ、今作ってやるから。きっと気に入るぜ」


この店主、普段はヘルクスが食べているような団子を売っているのだが、夏になるとかき氷も売っていた。
カキゴオリ?ナニソレオイシイノ?と言わんばかりに疑問を抱えるザミーゴ。


ソウトウ「……ザミーゴ殿はかき氷を知らぬのか?いや、まだ夏でもないのに氷を食しているとは」

ヘルクス「……………」


物珍しそうな目でザミーゴに近づくヘルクス。


ザミーゴ「ん?何か用か?」

ヘルクス「いや、このような季節に氷を食らう虫がいるのが珍しくてな」

ザミーゴ「まあ珍しいのは仕方ねぇな。今時俺みたいな虫が氷を食うトコ
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