第六百二十二話 お茶だけでその十二
[8]前話 [2]次話
「豊臣家ってもうね」
「秀吉さんが亡くなるとね」
菅が言ってきた。
「正直実質的な主君が」
「淀殿さんだから」
「あの人どうにもならないから」
「そうした人だったから」
「自滅したと言うしかね」
「ないわね」
「豊臣家って実は残っていたみたいだけれど」
この時代でもこの説が存在している。
「秀頼さんの息子さんがね」
「実はね」
「生き残っていて」
幕府の正史では大坂の陣で豊臣家が滅んでから捕まりそのうえで四条河原で処刑されたとなっている。
「ずっと続いていたらしいけれど」
「そうも言われているわね」
「けれど豊臣家自体は」
「大坂の陣で滅んだけれど」
それはというのだ。
「それはどうしてか」
「淀殿さんがね」
「もう政治も軍事もわかってなくて」
「おかしなことばかりしたから」
そうした人物が事実上豊臣家の主となっていてだ。
「あれじゃあね」
「滅ぶよ」
「絶対に」
「家康さんよりも」
彰子も言った。
「あの人にね」
「問題があったね」
「自滅よね」
「半分はそうだろうね」
菅は彰子に淀殿が破滅した責任について述べた。
「少なく見てもね」
「そうよね」
「何しろおかしなことばかりしたから」
「プライドだけ高くて」
「実際にそうみたいで」
菅は淀殿について言葉を続けた。
「ヒステリーもやたら起こして」
「そんな人が主だと」
「しかも止める人がいないから」
止められる者が大坂にはいなかったのだ。
「余計にね」
「悪いことになったのね」
「プライドだけ高くてヒステリー持ちで何も出来ない人で」
「そんな人を止められないと」
「家族でもね」
それが家の主でなくともというのだ。
「大変なのに」
「ましてや実質的に一国の主なら」
「潰れるのもね」
そうなることもというのだ。
「当然だよ、しかも自分達はまだ天下人だってね」
「思っていて」
「それで勝手なことを言って行って」
そうしてというのだ。
「続けていたから」
「自滅ね」
「実際そう言ってる人いたよ」
「そうなの」
「伊達政宗さんがね」
この戦国大名の中でも特に有名な人物の一人がというのだ、この時代においてもかなりの人気がある。
「お手紙で書いていたんだ」
「そうだったの」
「うん、散々勝手をしたから」
菅が今言うそれをというのだ。
「ああなったのも当然だってね」
「自業自得だったっていうのね」
「そうだったんだ」
「政宗さん淀殿さん嫌いだったみたいね」
七海は菅の話からこう思った。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ